ラシク・インタビューvol.189

ランサーズ株式会社 地方創生担当 篠原 智美さん

複(副)業、兼業、パラレルワーク。2018年1月の副業解禁から早3年。企業で働きながら複線的にさまざまなキャリアを合わせ持つ人が増えてきています。どうやってその複数のキャリアと出会い、同時に動かしているのでしょうか?

LAXICでは今回、パラレルキャリアを実践する篠原智美さんを取材しました。篠原さんはランサーズ株式会社で正社員として働きながら他に複数の仕事を持っています。群馬の「NPOキッズバレイ」では理事を、株式会社AnyWhereではエバンジェリスト・コミュニティデザイナーを、そして長野のローカルメディア「Biotope」の運営も。

驚くのは、それらの仕事を完全フルリモートワークでしているというところ。2年前にはパートナーの転勤で長野に移住し、コロナ以前は長野・東京・群馬と多拠点生活を送っていたというのです…!4歳になるお子さんの子育てしながら、これだけの仕事をどうやって…?パラレルキャリアのお仕事の内容や作り方、タイムマネージメントについて伺いました。

会社員をしながらNPO理事、伝道師、メディア運営をフルリモート

コロナ禍で追い風の複業。正社員として働きながら、どうすればいい? パラレルキャリアの作り方
(画像=篠原 智美さん/オンラインにて取材を行いました、『LAXIC』より引用)

編集部:篠原さんのプロフィールを拝見しましたが、本当に多岐にわたっていますね!ランサーズではどんなお仕事を?

篠原 智美さん(以下、敬称略。篠原):2015年からランサーズで地方創生プロジェクトを立ち上げ、正社員として地域のフリーランス支援や人材育成、地域の中小企業のDX支援を進めています。33の自治体と連携して新しい働き方を提案し、地方で在宅ワークを続けられるよう地域にコミュニティ作りなど、地域の中小企業がコロナ禍でデジタルにチャレンジする機会を創出し、自走していくために運営ノウハウを地域に届けています。

編集部:ランサーズのお仕事だけでも忙しそうな印象を受けるのですが…どうやってパラレルで複数の仕事を同時並行しているのでしょうか?

篠原:ランサーズの仕事は社員としてミッションや数字の目標を達成しながら、ほかの仕事はそれ以外の時間でこなしています。復業は業務委託で受けることが多いです。私のライフミッションが「誰もがライフイベントを楽しみながら、活躍できる社会づくり」なので、そこに共感できるサービス、応援したい人のプロジェクトに参画して一緒に作り上げています。

編集部:なるほど!ライフミッションという軸に沿ってそれぞれ近い領域で展開しているのですね。AnyWhereでも地方と人をつなぐお仕事をされていますよね。

篠原:昨年10月に人を軸に地域のワークプレイスをつなぐプラットフォーム「TeamPlace」をリリースしました。どの地方に行っても魅力的な人がいるので、その地域のハブとなる人材とコミュニティを見える化しました。

編集部:ハブ人材とコミュニティをつなぐというのはおもしろいですね。

篠原:2年前に夫の転勤で長野に移住したのですが、無縁の土地だけに地域のユニークな方たちとつながるのが大変だったんです。これからの時代は多拠点で暮らす人や、好きな地域の関係人口になりたい人も増えていくので、地域の魅力的な人やワークプレイスとつながるプラットフォームは大切だと思います。

編集部:ワーケーションする時にも便利そうですよね!NPOの理事とメディア運営というのは?

篠原:はい。「NPOキッズバレイ」は地元群馬県桐生市を拠点に若者や子育て世代の暮らしと仕事を支援するで団体です。私は理事として中長期の計画や新しい働き方に関するプロジェクトの協力を行っています。もう一つの「Biotope」は長野で活躍する女性を見える化してつなぐプロジェクトで、Webと紙のメディアを作っています。次の特集では「信州女子の働き方改革(仮)」を企画しています。

コロナ禍で、地方からのパラレルキャリアがより追い風に

コロナ禍で追い風の複業。正社員として働きながら、どうすればいい? パラレルキャリアの作り方
(画像=移住イベント登壇のようす、『LAXIC』より引用)

編集部:聞いているだけでかなりお忙しそうですが、日々のタイムスケジュールは?

篠原:時間的にはランサーズの勤務が9時から18時までです。それ以外の朝と夕方、夜寝かしつけている間など、細切れ時間で復業稼働しています。土日は家族の時間を大切にしたいので、復業の仕事をする場合はなるべく朝、午前中までにしています。

パートタイムではないので「夜も週末もずっと仕事じゃん!」という風にはならないですし、複業といっても、すべて関連ある仕事なので相乗効果が生まれやすいんです。

編集部:その相乗効果が復業のポイントですよね。ちなみにコロナ前は長野・東京・群馬という多拠点生活でしたが、今はずっと長野ですか?

篠原:そうですね。転勤してからは月4日ほどランサーズで東京へ、年数回はキッズバレイで群馬へ行く生活でしたが、コロナ禍になってからは長野でフルリモートです。

編集部:もともとリモートワークをされていたから、コロナ禍による不都合はなかったですか?

篠原:そうですね。仕事の面では逆にやりやすくなった部分も多いです。というのも、以前は社内で私だけがフルリモートワークでしたので、意識的に社内情報のキャッチアップをしなければならなかったのですが、今はフルリモートの社員が大多数になりました。社長の年始の挨拶から細かな社内情報も、ミーティングもすべてオンライン化されたので、仕事を進める上ではとても風通しがいい状態です。

編集部:なるほど! 地方にいながら仕事をする上では、追い風になったのですね!そういった意味でもパラレルキャリアの可能性が広がりそうです。