冬になるとファーの手触りが恋しくなる。そのふわふわの手触りと暖かさは女性にとって特別な意味を持つ。大げさにならず、気軽に取り入れるために、小物として使うのが私のやり方。
■ファーは小物で取り入れる
ファーという素材は、女にとって魅惑的なもの。
でも、取り扱いを間違うと、あっという間に清潔感を失う危険性をもはらんでいる。
私にとってファーとは、「取り扱い注意な危険物」という認識だ。
日々の通勤や仕事、家事、女友達や家族との食事など、いろいろなシーンがごちゃ混ぜの私の毎日。
そんなシーンに合わせて、着る服に合わせて、手軽にコーデに組み入れることができるように……と、ファーは極力小物で揃えるようにしている。
1.ファー付きのショートブーツはかなり糖度高めのアイテム。フレアスカートと合わせたり、とことん女らしいコーデを作りこむときに便利。
2.最も手軽なところではファーのマフラー。革のジャケットにもウールのコートにも合う。ベージュが優しげな雰囲気になるのでお気に入り。
3.緑のぬいぐるみのようなファーバッグは、持っているだけで癒される一品。膝の上に置いておくだけで暖かく、防寒グッズになる。ビビッドで綺麗な色のものの方が、逆に威圧感が出ないため、使いやすい。
4.あまり頻繁にはめることはないが(笑)、持っているだけで女性らしさが瞬時にアップするファー付きの手袋も長年愛用。グローブホルダーをバッグにつけておくと、不思議となくさない。
5.写真の手袋の間にあるのは、ファーのピアス。キャッチがパールになっている。少しこっ恥ずかしいくらい、「カワイイ」アイテムだが、レストランで食事するときなど、手っ取り早く顔周りが女らしくなるので愛用している。
6.家族から「くまもん」とあだ名が付けられた、黒のファー素材がびっしりついた黒いバッグも便利。平坦になりがちな冬の黒いコーデの際に柔らかさを出せる。
■ファーの小物を使ったコーデ
このチョコレート色の革のジャケットはファーの襟が取り外し可能。
ファーを外せば秋口から春先まで着られる。
ファーを付けると途端にゴージャスさがアップするジャケットだが、
ヒョウ柄のジャガード織のスカートと合わせてとことんマダム気分の日のコーデ。
ここで注意。
足元に透けるストッキングやハイヒールを合わせない。
わざとゴツメのエンジニアブーツとタイツを合わせてバランスを取る。
こうして、ファーを使った日、どこか1カ所はカジュアルダウンの部分を作るようにしている。
それは、女度がこってりと高くなるのを防ぐためだ。
このバランス調整が、ファーを身に着ける際に一番気をつけているポイント。
デニムにざっくりニット、というカジュアルコーデの日のファーの取り入れ方。
バッグと革の手袋に同じ黒のファーがついたものでリンクさせる。
カジュアルすぎてやや子どもっぽいコーデかな? と思う日も、ちょっと小物にファーが入るだけで、あっという間に女らしくクラス感がプラスできる。
そういった足し算引き算が簡単なので、ファーの小物はとても便利だ。
■ファーのアイテムは慎重に選ぼう
ファーのアイテムに関しては、今まで数々の失敗を経験してきた。
真っ白いファーのコート(今振り返ると、怪しげだった)や、取り外せないファーが袖にも首周りにもてんこ盛りについているニット(プードルと呼ばれた)など。
今思うと、顔から火が出るほど恥ずかしい――そんな出で立ちだったと思う。
数々の失敗を経て、「ファーは小物で取り入れる」という方法が定着した。
ファーの面積は、コーデの「こってり濃い女度」をコントロールする。
自分の持つ女度、その場の雰囲気に合わせて自由に添加もしくは除去可能なファー小物こそ失敗なく、ファーを最も楽しめる方法だと思っている。
ファーをどこかに身に着けた瞬間、やっぱり女の気持ちは不思議と高揚するもの。
その劇薬のような高い効果を上手く利用して、暖かく気分の上がるおしゃれをこの冬も楽しもう!
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