お金を貯めることは、決して難しいことではありません。戦略と対策をしっかり練れば、そう遠くないうちにまとまった金額のお金を貯めることも十分に可能です。もちろん、そのためには貯金に関する基本的な考え方や具体的な貯金方法などについてしっかり押さえておく必要があります。そこで、今回は現在の貯金額を効率的に増やすための考え方や具体的な方法、節約術などについて詳しく解説します。
1.貯金を増やすための基本的な考え方
貯金というのは、自分自身の考え方一つで増えもすれば減りもします。そのため、貯金を効率的に増やすためには、単に方法論を実践するだけではなく、まずお金に対する考え方をしっかり固めておくことが大切です。それでは、貯金を増やすうえで重要な考え方とは何でしょうか。以下、貯金を増やすための基本的な考え方について解説します。
1-1.目標金額を設定する
貯金を効率的に増やすためには、まず「目標金額を設定する」ということが何より大切です。貯金というのは、給料がいくらあるかで決まるものではありません。それよりも、自分が貯金という努力を続けられるだけのモチベーションを作ることが、お金を貯められるかどうかの鍵を握るといえます。そのためには、具体的な目標金額を設定するというのが一番手っ取り早い方法です。
例えば、「1年で60万円貯金する」という目標を立てたとしましょう。1年で60万円ということは、1カ月単位では5万円貯金すれば良いことがわかります。もちろん、目標金額は収入との兼ね合いで適切な設定にするべきではありますが、月にいくら貯金すれば良いかということがわかればモチベーションを維持することもずっと楽です。
一方、毎月の給料から生活費を差し引いて、残った金額を貯金しようという考え方では、なかなかお金は貯まっていきません。目標金額が不明確であるため、つい使ってしまうお金も多くなり、貯金自体も続かなくなってしまう恐れがあります。効率的に貯金していくためには、貯金する分のお金を先に取り分けてしまったほうが効率的です。1年で60万円貯めるという設定の場合、毎月の給料からあらかじめ5万円差し引いて、そのなかでやりくりしていくことができれば自然と目標を達成することができます。
また、目標金額を設定するうえでは、「なぜその金額を貯めるのか」という理由を明確にしておくことも大切です。最初に大きな目標を立ててしまうと、ゴールが遠すぎて逆にモチベーションを維持できなくなってしまうので、まずは「家族と旅行に行く」など小さな目標から始めてみると続けやすいでしょう。
1-2.固定費を優先的に削減する
家計における支出科目は、大きく分けると固定費と変動費の2種類です。固定費とは、家賃や車のローン、水道光熱費・通信費の基本料金部分など、毎月の支払額が決まっている費用のことをいいます。一方、変動費とは食費や娯楽費、水道光熱費・通信費の使用料金部分など、過ごし方によって支払額が変わってくる費用です。
一般的には、食費を減らしたり交際費を削減したりするなど、変動費を狙ったほうが手っ取り早く節約できるといわれています。しかし、変動費の節約は節約できる金額も変動してしまうため、あくまで一時的な節約にしかならない場合も少なくありません。一方、固定費は一度見直せば節約効果がその後も持続しやすい費用です。貯金を増やすためには、何より継続的な節約が不可欠ですから、一時的な節約に終始しがちな変動費より、一度の見直しで効果が持続しやすい固定費を節約したほうが効率的でしょう。
固定費のなかでも、家計に占める割合が大きい家賃や、見直しやすい保険料・通信料は特に狙い目だといえます。何から手をつけて良いかわからない人は、まず家賃や保険料などを見直すことから始めてみましょう。もちろん、変動費が家計を圧迫しているなら、そちらの見直しも大切です。変動費の場合は、その商品やサービスが本当に必要かどうかを自問してみると、削るべき項目がはっきりします。
2.3つの貯金方法
貯金するための基本的な考え方を押さえることができたら、次に具体的な貯金方法について確認しておきましょう。初心者でも手をつけやすい貯金方法はいくつかあります。ここでは、そのうち特に始めやすく効率的な3つの貯金方法を紹介します。
2-1.500円玉貯金
500円玉貯金とは、気が向いたときに貯金箱に500円玉を貯めていく貯金方法です。手元に貯金箱さえあれば、今すぐにでも始められるので、初心者向けの貯金方法だといえます。500円玉貯金は、「ちりも積もれば山となる」ということわざをそのまま具現化したようなお金の貯め方です。一度に貯められる金額は少ないものの、継続することで大きな金額を貯められる可能性を秘めています。
例えば、500円玉を毎日1枚ずつ貯金箱に貯めていったとしましょう。その習慣を10年間続ければ、貯金額は182万5000円という水準まで膨れ上がることになります。もちろん、10年という長い期間、500円玉貯金を継続することは難しいことかもしれません。しかし、500円玉貯金の良いところは、比較的短い期間でも継続すればかなりの金額まで貯金できるということです。目標金額を少なめに設定して実践すれば、毎日少しずつ増えていくのを実感しながら、楽しく貯金することもできます。
500円玉貯金を成功させるコツは、とにかく貯金という行動を習慣化することです。例えば、「朝起きたら貯金する」「家に帰ったらお金を入れる」といったように、ルーティーンとして生活に組み込むとより継続させやすいでしょう。ただ、500円玉貯金のデメリットは、そもそも500円玉が財布に入っていないと貯金できないということです。そのため、500円玉貯金を始めるなら、お釣りで500円玉をもらえるように1000円札で払うようにするなど、なるべく500円玉が財布に残るような支払いをする習慣を身につけることが大切です。
2-2.先取り貯金
先取り貯金とは、あらかじめ決めた金額を給料から天引きして、半ば強制的にお金を貯めていく貯金方法のことです。目標金額を設定して貯金する場合、どのみち給料から毎月の貯金額を決めて貯金することになります。自分で貯金する場合、誘惑に負けて使ってしまうこともあり得ますが、先取り貯金であればそういう心配もなく毎月一定の金額を貯金することが可能です。
先取り貯金を実践するには、まず給料の振込口座とは別に貯金専用の口座を開設する必要があります。給料が振り込まれたら、その口座にすぐ一定額を移すようにするというのが一般的な先取り貯金のやり方です。もちろん、この方法でも誘惑に負けてしまいそうになることがあるかもしれません。ただ、貯金専用口座を別に作っておけば、それだけでも貯金の意思はより強固なものになります。そのうえ、「この口座のお金は絶対に使わない」という誓いを立てておけば、普通に貯金するよりずっと確実にお金を貯めていくことができるのです。
また、勤務先の財形貯蓄制度や終身保険などを利用するのも一つの手です。財形貯蓄制度は、税金面でも優遇されるため、効率的にお金を貯めていくことができます。もちろん、銀行の定期預金や積立定期などを利用することも確実な方法の一つです。定期預金とは、お金を預けてから一定の期間は引き出すことができない形態の預金のことです。普通預金より高い金利が設定されていることが多いので、確実かつ効率的に貯金したい場合は定期預金口座の開設も視野に入れてみると良いでしょう。
2-3.積立投資
少ない資金から貯金する場合には、積立投資というのも有効な方法の一つです。積立投資は、少額から始められる投資の一種です。投資と聞くと、少し怖いイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、積立投資は証券会社によっては毎月100円という少額から始められる初心者向けの投資です。単なる預金の場合、預けたお金はほとんど増えませんが、投資であればお金が増えることもあるため、貯金を効率的に増やしたい人に最適な貯金方法だといえます。
ただし、あくまで投資であるため、運用がうまくいかなければお金が減る可能性もあります。そのため、投資をする場合、リスクも考えて適切に運用することが大切です。その点、毎月一定額ずつ購入していく投資信託への積み立ては、リスクを分散させる効果があるため、初心者でも比較的簡単に始められる投資方法です。つみたてNISAなど、少額から始められる積立投資は、投資で得た利益を最長20年間非課税で受け取ることができるなど、税制面でも大きな優遇措置を受けられます。貯金額を増やす方法の一つとして、投資も選択肢に入れておくとより視野が広がるでしょう。
3.貯金を増やすための節約術
貯金を増やすためには、削れる費用を積極的に削っていくことも大切です。そのためには、まず自分の家の財政状況を正確に把握する必要があります。家計の現状把握をするうえでは、こまめに家計簿をつけることは非常に有効な手段です。しっかりと家計簿をつけていれば、家計の無駄をあぶり出すこともでき、どこを削れば良いかという節約の意識づけにもおおいに役立てることができます。
また、大手携帯会社の携帯を使っている場合は、通信費を浪費している可能性が高いです。通信費は、固定費の一つであるため、この部分を見直せば大きな節約にもつながります。例えば、格安スマホなどに乗り換えて、どのくらい通信費が安くなるかを比べてみましょう。貯金の目標額をなるべく早い段階で達成したいなら、ボーナスをすべて貯金に回すというのも一つの手です。そのためには、毎月の給料だけで生活していけるように、日々の家計やローンの支払いなどを工夫してみることも大切でしょう。
上級者向けの節約術としては、株式投資を始めてみるという方法もあります。投資するなかで入手した株主優待は、有効に使うことで生活費を浮かすことも可能です。家計にある程度の余裕がある場合は、生活に役立つ株主優待を優先的に取得するなど、リスクも考慮に入れながら実践してみると良いでしょう。
提供・オカネコ(お金の専門家にチャットですぐ相談できるWebマガジン)
【こちらの記事も読まれています】
>平均貯金額を【年代・世帯別】に紹介!子育てや老後に必要な貯金額と賢く貯めるコツも解説
>家計簿をつけているのに、お金がたまらないのは、なぜ?
>FPに相談するとはどういうことなのか?
>40歳の平均貯金額は?教育費や老後にかかる費用と貯めるコツ5選
>国立大学の学費はいくら?生活費や留学費用など大学生活でかかる各費用を解説