『フランス人は10着しか服を持たない』という本が流行ったとき、「そんなことはありえるのか?」と思ったことを覚えています。そしてパリで暮らしてみて、そのタイトルには「フランス人は“無駄な消費”を嫌う文化がある」というメッセージがあったのではと気づきました。
煌びやかなブティックや豪華な内装のデパートがあっても、そこに住む人々の暮らしやファッションは意外にも質素で、どこかシック。そのシックな雰囲気は、素材など質の良さから生まれるものなのでしょう!古くても質のいいものを愛でるゆるぎない精神が、フランスの歴史的建造物や美しい街並みを守ってきたのだと感じます。
パリの至る場所で行われている「蚤の市」は、そういったフランス人の“無駄な消費嫌い”に通じた文化の1つではないかと。今回は、フランス人の宝箱である「蚤の市」へ行ったときのことをバーチャルツアーします。
パリの「三大蚤の市」
「パリの三大蚤の市」と言われているのが、「Marché de Clignancourt(マルシェ デュ クリニャンクール) 」、「Marché de Vanves(マルシェ デュ ヴァンブ)」、「Marché de Montreuil(マルシェ デュ モントルイユ)」 です。今回は14区にあるヴァンブの蚤の市をご紹介します。こちらは他の2つに比べて比較的治安も良く、駅からも歩いてすぐなのでおすすめです。
水彩画から油絵まで額付きでも購入できます。水彩画は1枚10ユーロほど。旅のお土産にぴったり。
レコードも豊富に並んでいます。
音楽に詳しくなくとも好きなジャケットのデザインを選んで、インテリアにしてみてはどうですか?きっと素敵なお部屋のアクセントに。私はジャケット買いした曲をYouTubeで探してみると、不思議なことに好みの曲と出合えることが多々ありました!音楽もデジタル化する昨今、こんな風に新しい音楽と出合うのも最高の思い出になりそうです。
右の写真はヴィンテージのボタンやバッジです。使い道はたくさんありそうですが、個人的には将来飼う猫の首輪にこれをつけたいな…なんて。蚤の市ではいろいろなアイデアが思いつきます。
フランスで見つけた異国情緒
写真左は、アフリカからのお面や人形を販売するお店。ざっと30種類、それ以上の種類のお面がきれいに並べてあり、それらの表情のおもしさや配色の美しさに目を奪われます。
日本でも民族雑貨のお店は見かけますが、地理的にフランスとアフリカがご近所だからでしょうか、見たこともないデザインのものが並びます。こちらのピューマのような動物のオブジェはなんと昔のカメルーンのパスポート。その昔、アフリカではこのオブジェを腰にぶら下げて国境で見せることで国間の移動を許可されたそうです!さらに国ごとに動物は異なるというからおもしろい!
写真右は、日本の江戸時代の寺子屋の様子でしょうか?一体、どのようにしてこの絵はパリまでやってきたのでしょう。このテーブルの上には数えきれないストーリーが存在していそうです!
コロナ渦の蚤の市はコロナ対策も万全の模様。各お店は除菌ジェル、お店の人は手袋装着でした。
コーヒーブレイク。ヴァンブの蚤の市では、軽飲食のためのフードトラックが出ています。近所に飲食店はたくさんないので、朝早くきてお昼をこちらで楽しむのがおすすめ。
ガラクタか?世界に1つの宝物か?
1月のパリでのお楽しみの1つに「Solde(ソルド)」という冬期の大バーゲンセールがあります。日本では考えられないような破格でブランド品が買えるため、世界中の人がこれ目当てで訪れることも。パリの人々も普段は派手な買い物をせず、このソルドのときにまとめて質のいいものを買うことが多いみたいです。
私がパリで見つけたおしゃれなパリジェンヌは頭の先から爪先まで新品のブランド品で着飾るのではなく、1点オリジナリティがあるものを混ぜていることが多いです。インナーのTシャツだけ古着だったりアクセサリーはヴィンテージものだったり。きっとそういった「はずし」がおしゃれを楽しむことなのでしょう。
蚤の市で見つけたおもしろいものたち。
それらをガラクタと思うか一期一会の宝物と思うかはあなた次第。どこで使うの!?と思っても、眺めているとクスッときてなんだかかわいく思えたなら、買いです。
写真右は、水着姿の女の子の置物。こんな風におしゃべりしているかのように並べちゃうセンス、すごく好きです(笑)。
私の今回の戦利品は、この楕円形の小さな額。昔の飼い猫の顔を肖像画にように描き、ここに入れる予定です(笑)。
次回のお目当ては写真右の革のトランクケース。この年季の入ったトランクケース、今までいくつの国を渡ってきたのでしょう。
蚤の市に行く前にいくつか注意点
今はまだ難しいですが、パリで蚤の市へ足を運ぶ際はいくつかの注意点をご紹介します。
1.カードはほとんどのお店で使えないので現金を用意
2.エコバッグを持参
3.購入前に、壊れていないか要チェック
これらに注意しつつ、自分だけの宝探しを楽しんでみてください。
ポイントは童心に戻って、直感的に「おもしろい!」と思ったものを選ぶこと。さらにお店の人に商品の詳細を聞いてみると、自分との意外な共通点が見つかるかもしれません。
■Marché de Vanves(マルシェ デュ ヴァンブ)
営業時間:毎週土曜、日曜 7時~14時
住所:Avenue Georges Lafenestre 75014 Paris
交通:メトロ13号線Porte de Vanves駅
提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)
【こちらの記事も読まれています】
>今気になるのは“固め”プリン。都内で楽しめるプリン6選
>フランスの国民食!クスクスを使ったタブレのレシピ
>おうち時間に作りたい!家庭で作るフレンチレシピ集
>パリのブロカントショップ『Brocante Petite LULU』に聞く、アンティークの楽しみ
>2020年最新!パリグルメ通がおすすめするパリのお土産4選