人間の味覚には、5味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)があることが知られています。

でも、他の動物の味覚も、ヒトと同じなのでしょうか?
そして、ヒトは、犬や猫などの他の動物よりも味覚が良いのでしょうか?

今日は、動物の味覚に関するお話です!

 

最近、「日本味覚協会のWebサイトなのに、味覚と関係ない内容が多いよね」と言われることが多いです。まさにその通りなのでギクリとします(笑)。決してネタ切れというわけではなく、なんか、どうでもよいことを書きたくなってしまうことが多いのです。すみません・・・。
今日は、ちゃんと、味覚に関するお話ですのでご安心ください!

味覚を感じる場所は?

みなさんは、どこで味を感じていますか?

「そんなの舌に決まってるじゃん!」という方も多いと思います。ざっくり正解なのですが、厳密にいうと違います。

正確には、味蕾(みらい)と呼ばれる味細胞の集合体によって感知されます。

ヒトの味蕾(みらい)は、舌だけじゃなく、舌以外の口の中(上あご、喉の奥など)にもあります。ちなみに、ヒトの味蕾の数は、(諸説ありますが)舌には5,000~9,000個、舌以外の部分には2,000~2,500個あると言われているので、地獄で閻魔様に舌をちょん切られたとしても、かろうじて味を感知することはできそうです。

 

動物の味覚

一般的には、味蕾の数が多ければ多いほど味覚が良いと考えられています。

そこで、いろんな動物の味蕾の数を調べてみました!

(参考書籍:図解 感覚器の進化)

 

ヒトの味蕾が5000個~10000個に対し、

ネコ:約500個
イヌ:約2000個
ブタ:約15000個
ウシ:約25000個

です。

つまり、ヒトは、草食動物と肉食動物の中間くらいの味覚の持ち主なのです。

イヌやネコは、ヒトよりも味覚が良くないようですね!

 

 

ちなみに、ブタはヒトよりも味蕾の数が多くて味覚が良いと考えられますが

太郎「カレー作ったよ。食べてみて!」
花子「ありがとう!熱っ!」
太郎「花子さんは猫舌だったね」
花子「うん、熱かった。でも、おいしいよ」
太郎「隠し味に、何が入ってるか分かる?」
花子「分かった、醤油が少し入ってる!」
太郎「さすが、味覚が良いんだね!まるでブタみたい。花子さんはブタ舌だね!」
花子「誰がブタ舌や!」
太郎「これから花子さんのことをブタ子さんって呼ぶね!」
花子「バシッ(ビンタ)」
太郎「ぶったね!親にもブタれたことないのにー!!ブタ子にブタれた」
花子「ブタブタうるさい」

となって、褒めてるつもりなのに怒らせてしまう可能性が高いので、味覚を動物に例えるのはやめましょう(猫舌だけはOKです)。

 

 

最も味覚が良い動物は?

最も味覚が良い動物は何だと思いますか?

実は、最も味蕾の数が多い動物は・・・

 

ナマズなのです!

ナマズの味蕾の数は約20万個と言われており、なんと、ヒトの20倍もあるのです!

 

グラフにすると、飛びぬけているのが分かりますね(笑)。

 

ナマズは、ヒトと違って、口の中だけでなく、全身に味蕾があるのです!
ナマズは濁った水の中で生息しているため、視界がききません。そこで、味覚を視覚の代わりにしているそうです。

「やばい、濁ってて全然目が見えないそ。でも、あっちのほうに甘い味がするから、あそこに敵がいるに違いない!」

みたいな感じでしょうか^^。

しかも、複数箇所(例えばヒゲにある味蕾と背ビレにある味蕾)で感じる味のタイミングの違いにより、標的の場所まで特定できてしまうとのことです!すごいですね!

 

ウナギくん「ナマズくん、君は全動物の中で一番味覚が良いらしいね」
ナマズくん「そうだよ。エッヘン」
ウナギくん「でも、君は食べても美味しくないみたいだね」
ナマズくん「うるさいやい」
ウナギくん「名前もマズそうだし・・・ナマズの名、マズっ!」
ナマズくん「くそう。覚えてろ!いつかウナギくんを超える味になってやる!」

 
ということで、最近は近畿大学にて、「ウナギ味のナマズ」の研究が進んでいるようです!ナマズくんの雪辱の味、いつか食べてみたいですね!
(注意:ウナギくんとナマズくんの会話は妄想です)

 

というわけで、今日は動物の味覚のお話でした!

次回は、犬と猫の味覚(五味)について詳しく書きたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします!

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本日のまとめ
・ヒトの味覚は、犬や猫より良く、牛や豚より悪い
・全動物の中で味蕾が最も多いのは、ナマズ
・味蕾の多いナマズの未来は明るい
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提供・味覚ステーション