大手企業は今も昔も大学生の就職先として人気です。就職情報サービス会社の大手・株式会社学情が発表しているランキングでも上場企業がずらりと並び人気の傾向を探るうえで参考になります。時代とともに変わる人気就職先ランキング……最新の結果は!?
総合ランキング:伊藤忠商事が2年連続で1位
学情が行った「2021年卒就職人気ランキング【速報】」は、2021年3月に大学・大学院を卒業予定の学生を対象に実施したもので、有効回答数は6,574人でした。学生は就職希望先を最大5社選ぶ形で回答しており、その回答データからランキングが作成されています。総合ランキングは以下の通り。
伊藤忠商事が2年連続1位!「総合商社」はトップ10に2社
総合ランキングでは総合商社の「伊藤忠商事」が2年連続で1位でした。総合商社は4位に「丸紅」、14位に「三菱商事」、50位に「住友商事」がランクインしているなど人気の就職先といえます。
人気の理由はいくつかありますが、その一つとしては年収が高いことが挙げられるでしょう。東京商工リサーチが2019年7月に発表した「2019年3月期決算『上場企業1,841社の平均年間給与』調査」によれば伊藤忠商事の平均年間給与は1,520万7,000円と全社中2位です。2020年度の大学新卒の給与は24万円ですが、年次や役職が上がるごとに年収がどんどん上がっていきます。
また伊藤忠商事の場合、働き方改革を積極的に推進していることも学生に好感を与え、総合ランキング首位に一役買っているのかもしれません。伊藤忠商事は働き方改革として「朝型勤務」や「脱スーツ・デー」などに取り組んでいることで知られています。
また伊藤忠商事は海外展開にも積極的で、駐在員としてグローバルに活躍できるチャンスが用意されていることなども人気を後押ししている一因といえるでしょう。
JTBグループが2位、「旅行会社」はトップ10に2社
大手旅行会社はトップ10内に2社。2位に「JTBグループ」、5位には「エイチ・アイ・エス」が入っています。トップ10外では22位に「近畿日本ツーリスト」、43位に「日本旅行」がランクイン。旅行会社は「旅」や「ツアー」といった楽しいイメージも後押ししてか、毎年ランキング上位に業界大手の名前があります。
特にJTBは旅行業界大手のため、知名度、安心感ともに学生にとっては高くなっているようです。民間信用調査会社の帝国データバンクが、2019年8月に発表した「特別企画:国内旅行業者の経営実態調査」において、JTBは2018年連結業績における年間売上高が旅行会社で唯一1兆円超えとなっています。
海外と接点を持てる職種として旅行会社を選ぶ人は少なくありません。業務内容としては、個人向け対応や法人向け営業、新たな観光資源・観光コースの開拓までさまざまです。海外での留学経験がある日本人も増える中、今後も根強い人気は続くのではないでしょうか。JTBグループの2021年度の総合職の初任給は、首都圏の場合で月23万円です。