スイスウォーター製法

カフェインは水には溶けにくい性質を持っており、水に溶かすには時間をかける必要があります。しかも、コーヒーの風味成分とされるアミノ酸や小糖類、クロロゲン酸類などは水に溶けやすく、コーヒー豆をつけただけではカフェインよりもこれらの成分が先に溶けてしまうという問題があります。

そこで発案されたのがスイスウォーター製法。

スイスウォーター製法では、コーヒー豆に含まれるカフェイン以外の水溶性(水に溶けやすいこと)の物質をめいっぱい溶かした状態の水にコーヒー豆を浸すことで除去を行う方法です。カフェイン以外の物質は溶け出さないので、時間をかけて除去作業を行う事ができます。

水を使用するという消費者の安心感と、比較的コストが抑えられる事からスペシャルティコーヒーにも使用されている方法です。

【自宅では作れない?】デカフェ・カフェインレスコーヒー

これまで、カフェインの除去法を記載してきましたが、超臨界を利用したり、スイスウォーター製法を利用したりと、自宅でデカフェ・カフェインレスのコーヒーを作るのは現状では難しいでしょう。

ただ、最近ではデカフェもメジャーになってきており、市販のモノを容易に購入することができます。カフェインの摂取を控えつつコーヒーを飲みたいという方は、そちらを試してみると良いかもしれません。

将来はカフェインレス・コーヒーノキが主流になるかも!?

現在日本で流通しているカフェインレスコーヒーは、上記のように安全な方法で製造されているものばかりですが、多少なりとも風味は損なわれてしまっているのが現状です。そこで、そもそもカフェインを含有しないコーヒーノキを作ろうという研究もなされています。

実はカフェインレス・コーヒーノキは2004年に実現されているものの、これらは遺伝子組み替えのロブスタ種(苦味が強くて商品価値が低いとされている)であったり、カフェインの元となる成分が通常より多くなってしまったりと問題が多く、まだ実際に商品化されてはいません。

もしかしたらあと数年後には、風味も安全性も高品質で環境にも優しいカフェインレスコーヒーノキが開発され、不眠症の方や妊婦、子供にも楽しめるようになるのかもしれませんね。

提供・Cafend

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