S&P500とは、米国株式市場の動向をつかむ上で指標となる株価指数のひとつです。日本でもS&P500との連動を目指す投資信託がいくつか販売されています。この記事では、S&P500をはじめとした株価指数(インデックス)とは何かに加え、インデックス投資の特徴とメリット・デメリット、さらに、具体的にどのような商品があるかを紹介します。
「S&P500」とは?
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国株式市場の株価指数のひとつです。ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の時価総額を元に算出されます。
S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国の市場動向を把握する上で非常に重要な指標といえるでしょう。そのほか米国の株価指数としてはダウ平均株価などが有名です。
なお日本の代表的な株価指数には、日経225(日経平均株価)やTOPIX(東証株価指数)などがあります。
「S&P500」に連動する投資信託とは?
投資信託の中には、S&P500のような市場の動きを示す株価指数(インデックス)との連動を目指して運用される商品があります。これは「インデックスファンド」と呼ばれ、株価指数と連動するように投資を行う手法を「インデックス投資」といいます。
ちなみに投資信託の商品は大きく2つに大別され、「インデックスファンド(インデックス投資)」と対になるのが「アクティブファンド(アクティブ投資)」です。後者は運用のプロであるファンドマネージャーなどが銘柄などを選定しており、インデックスを上回る運用成績を目指しています。
株価指数が市場の動きを示すってどういうこと?
株価指数が市場の動きを示す、というのは具体的にどういうことでしょうか。S&P500を例に、値動きがわかりやすい2000年代の指数(1月終値)をチェックしてみましょう。
2000 | 1,394.46 |
---|---|
2001 | 1,366.01 |
2002 | 1,130.20 |
2003 | 855.7 |
2004 | 1,131.13 |
2005 | 1,181.27 |
2006 | 1,280.08 |
2007 | 1,438.24 |
2008 | 1,378.55 |
2009 | 825.88 |
2010 | 1,073.87 |
例えば2000年から2010年までを振り返ると、2002年はITバブル崩壊によって、2008年はリーマン・ショックによって指数が下落しており、市場や経済の動向と強く連動していることがわかります。
インデックス投資のメリット
では、S&P500をはじめとするインデックスと連動した投資信託を購入するメリットには、どんなものがあるでしょうか?
値動きがわかりやすい
株価指数との連動を目指すインデックスファンドは、上に示した2000年代の推移のような“市場の動き”と連動することを目指しているため、値動きがわかりやすいと言えるでしょう。銘柄ごとのパフォーマンスにも大きな差が出にくいという特徴があります。そのため、初心者にとって選びやすい商品といえるでしょう。
手数料が安い
投資信託を購入するときには、購入手数料や信託報酬といった手数料がかかります。インデックスファンドは、信託報酬の年率が低めに設定される傾向にあります。
信託報酬は、投資信託の運用・管理に対する報酬として、投資家が商品を保有している間は払い続けなければなりません。長期的に資産を運用するなら、できるだけ手数料が安い商品を選んだほうが、利益が大きくなります。
分散投資できる
投資にはさまざまなリスクをともないますが、そのリスクを抑える方法の1つに「分散投資」があります。これは投資する商品や購入時期を分散させることで、1つの商品が値下がりしてもほかの商品でカバーできるようリスクを低減させる方法です。
インデックスファンドは、一般的にアクティブファンドに比べて多くの商品を組み合わせており、インデックスファンドに投資することは、そのまま分散投資を実現しているといえるでしょう。