1日に1000人以上の子どもが性被害に遭っているという調査結果があります(厚生労働省調査 令和2年度、推定)。

 X(旧Twitter)で「ふらいと先生」の名前で小児医療や福祉の問題を発信し、フォロワー14万人を超える今西洋介医師が、『小児科医「ふらいと先生」が教えるみんなで守る子ども性被害』(集英社インターナショナル)を上梓しました。

小児科医「ふらいと先生」が教えるみんなで守る子ども性被害
『小児科医「ふらいと先生」が教えるみんなで守る子ども性被害』今西洋介 著(集英社インターナショナル)
 様々なデータや研究結果を元に、子どもの性被害に対する誤解を正しながら、実態について知ることができる一冊です。

 今回は今西先生に、小さな子どもの性被害の特徴や、子どもに教えておきたい知識についてお話しを聞きました。性被害を防ぐためには、どんなことが大切なのでしょうか。

◆性加害者の多くは子どもと信頼関係のある家族や知り合い

少女
※写真はイメージです(以下同)
――子どもの性被害は、どんな特徴があるのでしょうか?

今西洋介先生(以下、今西先生):子どもは成人と比べると、突発的な被害よりは人間関係のつながりの中で性被害に遭うことが多いです。

 被害者の年齢が7~12歳において、最も多いのは「親の恋人・親族」、ついで「親」からの被害です。

 また、0~6歳、13~15歳では「親」の割合が最も大きいと分かっています(一般社団法人Spring【性被害の実態調査アンケート結果報告書① ~量的分析結果~】2020年)。

 そのため、発覚した時にすごく驚く親御さんが多いんです。

◆実際の被害件数は統計よりもさらに多い

――本書の帯にもありましたが、「1日に1000人以上の子どもが性被害に遭っている」という試算があることに衝撃を受けました。

今西先生:あくまでも厚生労働省調査の推定の数値なので、正確な数値ではないのですが非常に多いですよね。

 ただ、子どもの性被害は暗数(統計に現れなかった数値)が多いと考えられているので、実際はもっと多くの性被害が起こっていると思われます。