岡田彰布前監督から引き継いだ阪神タイガースの藤川球児監督。3月28日には公式戦開幕を迎えたが、その裏ではある人事に関係者が注目を集めているという。
「4月1日に球団、球団親会社の阪神電鉄の大きな人事異動が発表されました。球団ではオーナー代行を務めた谷本修氏が監査役に回り、球団との距離を置くことになった。代わりに粟井一夫球団社長が、オーナー代行に就くことが発表されています」(スポーツ紙野球記者)
谷本氏といえば元々球団広報部長から一時は球団副社長まで上り詰めたが一転、親会社の阪神電鉄のスポーツ・エンターテインメント部門の事業責任者に転じた。
「本人とすれば望んでいた人事では決してなかったはずです。本当にやりたかったのは球団社長としてのチーム運営や球団経営。ですが、コロナ禍にさまざまなトラブルが明らかになり、道が断たれた。代わりに球団社長に就いたのが同期の粟井氏。しかも一昨年は優勝、日本一球団の社長としてメディアに多く露出することになりました」(同前)
球団が属する阪急阪神ホールディングス(HD)の総帥、角和夫CEOが岡田彰布前監督誕生に深く関わってきたことは有名な話だ。
「一方で谷本氏は若い世代の生え抜きOBによる監督就任を目指すべく藤川氏に声をかけて“その時”を待っていたのです。藤川氏は現役引退後に球団名誉職の形でフロント入り、谷本氏とのコミュニケーションも割とうまくいっていた。ところが今回の人事において、阪神電鉄で常務取締役に昇進したものの、球団経営にはそこまで大きく関わらない経営企画室担当に異動となった。球団内では『球児が“後ろ盾”を失っている。大丈夫なのか』との話題でもっぱらです」(事情を知る関係者)
藤川監督にとってもう1つのアキレス腱は実兄の順一氏と言われている。
「高知商業高時代は兄弟バッテリーで甲子園に出場して注目を集めました。一時は地元の独立球団のGMに就くなどしていましたが、現在は弟・球児のマネージャーとして生計を立てているといいます。球界関係者の間では野球をかじっている順一氏が『チーム運営や編成に口を出してくる可能性がゼロではない』と警戒。『今すぐは無くても弟の足を引っ張るのではないか』と懸念する者が多い」(球団OB)