昔ながらの風情が漂うレトロな銭湯には、近代的な設備を備えたスーパー銭湯とはまた違った味わいがあります。そんな銭湯の魅力を後世に残すために建てられた、あいち銭湯資料館をご紹介します。
銭湯の現状
かつては人々の生活の中で重要な役割を果たしていた銭湯ですが、住環境や生活様式の変化によって、利用者数が年々減っています。さらに、施設・設備の老朽化や後継者の問題などから、銭湯の廃業に歯止めがかかりません。
愛知県でも、ピーク時には約800件あった銭湯が、今では100件を下回っています(2021年1月現在)。
あいち銭湯資料館とは
あいち銭湯資料館は、2017年12月、名古屋市にオープンしました。廃業した銭湯の施設・設備の展示を通して銭湯の温かみや懐かしさを感じてもらうことに加え、銭湯文化を後世に引き継いでいくことを目的としています。
展示品
下駄箱
まず資料館の入り口で、靴を脱いでスリッパに履き替えます。靴を納める下駄箱も、廃業した銭湯で使われていたものです。長年使い込まれた味わいを醸し出しています。
番台
のれんをくぐって中に入ると、銭湯を利用している方には見覚えのある、初めての方には新鮮な風景が再現されています。
張り紙、看板、販売している石鹸や歯ブラシなど、全てが当時の様子そのままで、さっきまで誰かが番台に座っていたかのようです。
お釜ドライヤー・マッサージチェア
椅子に座って、頭からかぶるタイプのドライヤーです。今では設置していない銭湯もあります。昭和40年から使われているというレトロなマッサージチェアは今でも現役。お金を入れたら動くので、体験もできます(3分20円)。
風呂桶
銭湯といえば! の黄色い「ケロリン桶」も展示されています。実はサイズが2種類あり、大きいサイズが関東型、小さいサイズが関西型だそうです。愛知県内では関西型が主流です。こちらの「ケロリン桶」は、購入することもできますよ(620円)。