かつては蜜月だった両者の関係にもすっかり隙間風が吹いてしまっている状況のようだが、芸能ジャーナリストの竹下光氏もこう語る。

「かつてのジャニーズ事務所は『紅白』以外にも東山紀之さんや香取慎吾さん、滝沢秀明さん、岡田准一さん、松本潤さんをNHK大河ドラマの主演に据えたり、ジャニーズJr.が出演する『ザ少年倶楽部』をはじめとした数多くの番組に所属アーティストを出演させていました。それが故ジャニー喜多川氏の性加害問題が発覚したことによって関係性に変化が起きたことは間違いありませんが、それに加えて昨年10月20日に『NHKスペシャル』でオンエアされた『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』の放送内容も、会社として新たなスタートを切ったSTARTO社サイドにとっては納得し難いものだったのではないでしょうか。実際、同番組が放送される以前の段階では、昨年の『紅白』に関して複数のグループの出場“内定”がさまざまなメディアで報じられていたものの、番組オンエア後にはそうした状況が変わったことが伝えられて、結果的にSTARTO社勢の出演はゼロとなりましからね」

 もっとも、STARTO社にとっては「紅白」案件以外にもNHKとの関係を修復したい理由があるという。

「旧ジャニーズ事務所時代からSTARTO社の3大資金源となっているのがファンクラブ、CD販売、コンサートですが、最近は地方のファンクラブ会員離れが加速していると聞きます。未成年のファンの会費を支払っている親たちの信用が得られていないというのがその理由との分析もある。そんな中、地方ではNHKは絶大なブランド力を誇示しており、親世代にとっては子供たちが応援しているグループがNHKの番組に出演していることで安心感が得られる部分もあるようです」(前出の芸能事務所マネージャー)

 こうした背景もあり、STARTO社にとってNHKとの関係修復は急務とも言え、その重要な役割を担うのが取締役CMOの井ノ原というわけだ。