由衣さんは、結婚後、小さな節約からスタートします。例えば、資源ごみのゴミ袋を使い回す、一人の時は皿の上にラップを使って食器洗いをしない、お風呂は入らずシャワーは短時間で済ませるなど。

「正直、望んでいた生活とはかけ離れていましたが…。ここから2人の生活は始まるのだと、前向きに過ごしていたんです」

◆彼の部屋から謎の像がみつかる

家事
 基本的に家事は由衣さんの役目。家事する妻と、働きに出る夫という役割分担には満足していたそう。

「一日中、掃除や整理整頓のこと、夕飯作りのことを考えることが多くて。部屋が綺麗だと気持ちが良いので、もっと徹底的に整理整頓しようと思い立って、先日、家の隅々まで大掃除をしたんです」

 その際、普段は開くことのない、彼の部屋のクローゼットを開けると、意外なものが出てきたんだとか。

「紫色の布に包まれた物体を発見して、開いてみたら “手のひらサイズの金色の像”でした。ぽっちゃりとした男の子のような感じで、重みがありました」

◆なんと像に300万円!

 仕事から帰ってきた夫に、像のことを尋ねた由衣さん。

 夫に聞くと、「僕が信じている素敵な人から、去年買ったものだよ」と答えたそう。「なんか高そうだね」と由衣さんが言うと、なんと、「うん、ボーナス3年分貯めて300万円もした、大切なものなんだ」と言ったのです。

「私、生まれてはじめて、開いた口が塞がらないという経験をしましたよ。毎日、1円単位で節約している分、その金額があまりにも大きくて、想像を超えてきたというか(笑)。ポカンとしてしまって」

 手のひらサイズの男の子の像が300万円!しかもボーナスで3年貯めたお金で買ったものだとは。

「実は……。怖くてまだ深く聞けていないんです。どこの誰から買ったものなのか、夫の信仰している人はどんな人なのか。ここで、ちゃんと向き合わないと、ですよね」

 結婚してからわかった夫の信じる宗教と、お金の使い方。由衣さんの明るい未来のために、夫婦でしっかりと話し合えることを願うばかりです。

< 取材・文/maki >