『虎に翼』(NHK総合)の主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)が、同僚判事・星航一(岡田将生)と内縁関係になった。すると航一の子どもたちも顔を揃え、新キャラ登場である。

イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、“食べる人”としての特徴に注目しながら、本作の井上祐貴を解説する。
◆井上祐貴は、食べ物とともにある人

これから家族になろうとする佐田家と星家が同じ食卓を囲んで初めて食べるのが、店屋物の鰻重。優未はお重に箸を運び、一口食べた鰻の味に心踊らせる。それを見た航一の長男・星朋一(井上祐貴)が「優未ちゃん、鰻好きなの?」とたずねる。
初登場した朋一の第一声が、「初めまして」に続いて、この「鰻」という単語にぎゅっと凝縮され、食卓全体にさりげなく響く。井上祐貴という、極めて精悍な印象の俳優はどうやら食べ物とともにある人のようなのだ。
◆大盛中華にがっつく『イケメン共よ メシを喰え』
筆者が井上を初めて画面上で見たのは、筧美和子主演ドラマ『イケメン共よ メシを喰え』(テレビ大阪・BSテレビ東京、2022年)だったと記憶している。筧扮するイケメン好きの雑誌編集者・池田好美がグルメ企画を担当することになり、彼女が指導を任された新入社員・細見賢人を井上が演じている。
極端に少食な好美はチーズケーキでランチを済ませてしまう。ところが大好きなイケメンが食事する姿を前にすると翻って、猛烈な食欲を感じる。目元の泣きぼくろによって「ヤンチャ系と無気力系のハイブリッドイケメン」と判定した賢人にもう夢中の彼女は、中華料理店でチャーハンと餃子、麺類にがっつく彼を見て大興奮。