生活費の不安なく老後生活を送るには、現役時代の早いうちに、自分の年金受給額の見込みを知ることが大切です。そのうえで、貯蓄や資産運用、私的年金(民間の年金保険、国民年金基金など)への加入など、不足分を補うための老後資金づくりをスタートする必要があるでしょう。
老後までに十分な資金を準備できず、年金だけで生活することも難しい場合、すぐにできる対策は、生活費の節約です。とくに、通信費や保険料などの固定費を見直してムダを省くことで、継続的に生活費をおさえられます。
また、健康面などに問題がなければ、老後も働いて収入を得ることも検討しましょう。老後も厚生年金に加入して働ければ、年金額を上積みすることにもつながります。
ただし、年金を受け取りながら働く場合は、「在職老齢年金」という制度により、老齢厚生年金の額と給料やボーナスの額に応じて年金額がカットされることがあるため注意が必要です。
自宅を所有している場合には、自宅を担保に生活資金を借り入れる「リバースモーゲージ」の利用を検討する方法もあります。地方自治体の社会福祉協議会や民間金融機関などが提供しており、それぞれ借入金の使途や返済方法などの条件が異なるため、内容をよく確認して利用することが大切です。
自身の力ではどうにもならない場合には、同居や金銭的な援助について、家族に相談してみましょう。身内からの援助も難しい場合には、生活保護を申請することが選択肢になります。自身の状況に合わせて、最適な解決策を検討しましょう。
年金だけで生活を維持するのは困難! 老後への備えをしっかりしよう
老齢年金は老後の収入を保障してくれる制度ですが、年金収入だけでゆとりのある生活を維持していくのは難しいケースがほとんどです。老後の生活費を十分に確保するには、不足する資金をつくるための対策を、早めに講じる必要があります。
年金暮らしの親などの生活資金が足りず生活の維持が難しい場合には、本人が働くことやリバースモーゲージなどの制度の活用、家族からの援助などの対策を採りましょう。