3月28日に最終回を迎えた橋本環奈主演のNHK連続テレビ小説『おむすび』。期間平均視聴率は13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人が7.4%で朝ドラ史上最低となった。

AKIちゃんの『おむすび』最終回レビュー

朝ドラ111作目『おむすび』最終回で粋な展開

 朝ドラ111作目となる『おむすび』は、平成ギャルのヒロイン・米田結が栄養士となり、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。

 脚本を23年4月期の天海祐希主演『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(フジテレビ系)などを手掛けた根本ノンジ氏が担当し、ヒロインの家族を仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、宮崎美子、松平健が演じた。

 最終回では、詩(大島美優)の未成年後見人になろうとするも、児童相談センターの職員から告げられた懸念事項に不安が過ぎる歩(仲)。しかし、結(橋本)が職員の懸念は全て「仮定の話」だと一蹴し、「今この瞬間を大切に生きる。それがギャルやって教えてくれたのお姉ちゃんやん」「(詩)はみんなで育てる」と励ますと、前向きな言葉に歩は涙を流す。

 さらに、令和7年1月17日が描かれた終盤では、阪神・淡路大震災で冷たいおむすびをくれた雅美(安藤千代子)と結が2人でおむすびを食べるシーンが登場。ここにきて、結が毎年1月17日に雅美に会いに行っていたことが発覚するという粋な展開であった。

『おむすび』に「何も印象に残っていない」

 この放送後、ネット上では「最終回のサプライズに感動した。結ちゃん、震災で会った女性と毎年過ごしてたんだね」「結ちゃんの明るさに元気もらえたし、キャストもよかったし、最後まで楽しく見れた」と好意的な声が上がる一方、展開に対して不満の声も少なくなかった。

 当サイトで『おむすび』の全話レビューを執筆したライター・ドラマっ子AKIちゃんはこう述べる。

「うーん、このコメントをしているのは最終回当日の夜なんですが、虚無といいますか、何も印象に残っていないというのが正直なところです。橋本環奈が演じた結さんや仲里依紗のアユといった人物と、半年という時間を共有した実感がない。つまりは、全然おもしろくなかったし、心に残る作品ではなかったということです。それどころか、ドラマを見た気がしない。毎朝、テレビに映っているドラマに似た何かを見て、『「おむすび」とドラマの違い』について考えてレビューしていたような、そんな半年間でしたね。脚本そのものが物語の体を成していなかったということです」

「料理を撮る」という部分にももっとこだわってよかった