これからも金利が上がるって本当? FPと考える金利の行方。
日銀が1月の金融政策決定会合で、政策金利である「無担保コール翌日物レート」を0.25%引き上げ、0.5%にしました。住宅ローンをこれから借りようと考えている方やすでに借りている方にとっては、関心事でしょう。   金利はどこまで上がるのでしょうか。今回は、誰でも分かる利上げの考え方をお伝えできればと思います。

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金利の予測は誰でもできる

金利が上がるメカニズムは複雑です。
このため、金利が上がるかどうか、上がるならどこまで上がるのかを、確実に言い当てることは誰にもできません。しかし、傾向を探ることはできます。
 

(1)政策金利と国債利回りの種類

図表1のチャートは、政策金利と日本国債の利回りを比較したものです。
わが国では、銀行間で取引される無担保コール翌日物レートを、政策金利に採用しています。そして政策金利に対して、それぞれの国債利回りが推移しています。
国債には年限があり、図表1のチャートでは、1年物、2年物、10年物、30年物の国債利回りを示しています。1年物と2年物の国債利回りは一般的に「短期金利」と呼ばれます。これに対し、10年物国債の利回りは「長期金利」、30年物国債の利回りは「超長期金利」と呼ばれます。
 
図表1

※TradingView提供(解説を目的に使用しております)
 

(2)政策金利は今の金利、国債利回りは将来の金利

政策金利とそれぞれの国債利回りの間には、タイムラグがあります。
足元の金利が、「政策金利」です。これは、「今の金利」という意味です。
一方、国債の利回りは「将来の金利水準」を意味します。例えば、1年物国債の利回りの場合、1年後の金利水準を予測するもの、2年物国債の利回りの場合、2年後の金利水準を予測するもの……というように考えていきます。同じように、10年物国債の利回りは10年後の金利水準を、30年物国債の利回りは30年後の金利水準を予測するもの、と捉えていきます。
 
ただし、ここで注意してほしいことは「期間が長くなればなるほど不確実性が増すため、長期金利(10年物国債の利回り)や超長期金利(30年物国債の利回り)は当てにならない」という点です。厳密には、超長期金利の軌道を中心に据えながら、それよりも期間の短い金利のトレンドを適時確認していきますが、少し話が難しくなるので「期間が長い金利は当てにならない」と考えてみてください。
 

(3)将来における政策金利の解釈