『キッチンラボ 作って 食べて おうち実験!』(偕成社)は、東洋大学食環境科学部食環境科学科准教授の露久保美夏先生が、小学生を対象にした科学実験講座で行ってきた科学に興味が持てるような実験を収録したといいます。

子どもと一緒に「おうち実験=調理」を楽しみ、科学に興味を持ってもらうためには、何が大切か?をお聞きした前回に続き、今回は、調理を通して科学を学ぶことのメリットや、“食べること”を通じた子どもとの関わり方などについて、露久保先生にお聞きしました。
◆大人も楽しめる、調理科学の世界
――どんな思いを込めて本書を作ったのでしょうか。

――料理やお菓子作りが科学的に解説されていて、大人も楽しめる本になっているのではないでしょうか。
露久保:調理をしながら「なぜこの焼き色になるんだろう」「今日はどうしてふくらまなかったのかな」と、何となく疑問に思っていたことを、科学的な視点から学んでもらえるきっかけになると思います。
例えば、欧米では家庭にある砂糖は一般的にグラニュー糖なので、洋菓子のレシピはグラニュー糖が使われていることが多いんです。でも日本の家庭では上白糖が一般的ですよね。グラニュー糖は上白糖よりも甘さがスッキリとしているので、大量に使用しても甘くなり過ぎないという特徴があります。
上白糖はグラニュー糖よりもベタッとした甘さなので、同じグラム数を入れても甘さの感じ方が違います。また、砂糖の種類や量によって、焼き色や食感も変わります。