「年金」だけで「生活」できる人はどのくらいいる? 統計データから見えてくる「老後資金」の実態
日本では公的年金制度が整備されているものの、「年金だけで生活していけるのか? 」と不安を感じる人は少なくありません。高齢化が進むなか、年金のみで生活を維持している世帯はどのくらい存在するのでしょうか。また、年金収入だけで生活できない場合、どのような対策をとるべきかも気になるところです。   そこでこの記事では、厚生労働省の統計データをもとに、年金のみで生活している世帯の割合や実際の生活水準を解説し、足りない老後資金を補うための選択肢について考えていきます。

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年金のみで生活している世帯の割合

厚生労働省の「 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の高齢者世帯のうち、公的年金のみを収入源としている世帯の割合は41.7%でした。つまり、約6割の高齢者世帯は、年金以外にも収入を得て生活していることが分かります。
 
なお、年金以外に収入がない世帯でも、年金だけで生活費のすべてをまかなっているとは限りません。現役時代の貯蓄を切り崩して生活していることも考えられます。
 

年金収入だけで生活できるのか?

総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」による65歳以上の高齢者世帯における年金の平均受給額は、以下の表1の通りです。
 
表1

世帯構成 実収入 支出 不足分
夫婦世帯 24万4580円
(うち社会保障給付 21万8441円)
28万2497円 3万7917円
単身世帯 12万6905円
(うち社会保障給付 11万8230円)
15万7673円 3万768円

※総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
このデータから、年金収入のみでは生活費をまかなえない可能性があることが分かります。
 

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