
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
証券会社が少額投資を推す理由は?
ネット環境が発達する以前は、「投資」というと数十万円以上の資金を用意し、証券会社で株式などの購入手続きを行うことが必要であったため、多くの人にとっては縁が薄いものであったと言えるでしょう。
現在はデジタル技術の発展によって投資商品の売買に手間がかからなくなったこともあり、数百円~数千円の少額からでも投資が容易にできる状況が実現しています。そのため、「投資」に対するハードルは極めて低くなっていると言えます。
証券会社としては、常に新規顧客の開拓をして、投資商品の売買手数料などを稼いでいくことが会社の利益になりますので、少額投資を「入り口」として用意して投資未体験の人を誘致し、形の上だけでも投資と投資の効果を体験してもらうことを目的にしていると思われます。
例えば、代表的な株価指数であるS&P500に投資していれば、ここ2年間で資産額は約50%上昇しています。少額でも投資をしているのであれば「投資の効果」を感じている人は多いでしょう(図表1)。
図表1

Yahooファイナンス S&P500チャート
ただ、投資する金額が「月に100円」程度であると、相場の上昇で得られる利益もわずかなものですから、「もっと多い金額で投資をしていればよかった」という後悔が先に出てくるかもしれません。
また、少額投資を取り扱う証券会社や商品によっては株式の取引手数料が割高になっており、相場の上昇効果を打ち消してしまう場合も考えられます。実際に少額投資を行う場合は、手数料などの仕組みを事前によく調べておきましょう。