「本作では笑顔の裏に潜む狂気をリアルに演じており、彼女がいかに演技力を磨いてきたかがよくわかります。アイドル出身の俳優はどうしてもイメージが固定されがちですが、“ダークサイド”の才能が開花したことで、今後は俳優としての幅がさらに広がっていきそうです」(テレビ誌ライター)
振り返れば、同じく清純派俳優の福原遥も19年公開の映画『羊とオオカミの恋と殺人』で殺人鬼役に挑戦している。
「福原の殺人鬼役も非常に衝撃的でしたね。子役だった『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK)の頃から知る視聴者にとっては、彼女は無邪気で愛らしいイメージが強い。しかし、『羊とオオカミ〜』では、彼女がこれまで見せたことのない冷酷な表情や狂気じみた演技を披露し、まるで別人のようでした。これまで『可愛い』の印象が強かったが、本作を機に“演技派俳優”としての地位を確立しました」(前出のテレビ誌ライター)
また、元乃木坂46の西野七瀬も19年放送のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)で可憐な姿の裏に狂気を隠す殺人鬼・黒島沙和を好演。
清楚なイメージとは裏腹に、サイコパス的なキャラクターを巧みに表現し、視聴者に強烈な印象を残し、その後の飛躍に繋げている。
エンタメ誌の編集者はこう話す。
「アイドルや清純派の俳優が殺人鬼役を演じることは、視聴者の固定観念を覆し、その演技力を証明する絶好の機会。過去にも小池栄子や尾野真千子、小泉今日子も狂気的なキャラクターを演じたことでより俳優としての評価が上がっています」
視聴者からの「怖い」という感想は、渋谷にとっては最高の誉め言葉だろう。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)