奨学金を借りて「大学」に進学するのと、「高卒」で働くケースではどちらがお得になるのでしょうか?
最近では、奨学金の返済が大きな負担になることから、「大学に進学すべきか」「高卒で働いた方が良いのか」と進路を迷う人が増えています。大学に行けば学歴が手に入りますが、そのために何百万もの借金を背負うことになるのは避けたいと感じるのも自然なことです。   一方で、高卒で早く働き始めることで、社会経験を積みながら収入を得ることもできます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、冷静に比較することが大切です。本記事では大卒と高卒の生涯賃金、奨学金の実情を紹介します。

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大卒と高卒では生涯収入にどれだけ差が出る?

まず注目すべきは「生涯賃金」の違いです。独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023」によると、60歳まで働いた場合の平均的な生涯収入は以下の通りです。


・大卒男性:約2億4740万円
・高卒男性:約2億300万円
・大卒女性:約1億9800万円
・高卒女性:約1億4920万円

このように、学歴が上がるほど生涯収入は高くなる傾向があります。つまり、奨学金を借りて進学したとしても、長期的に見れば回収可能と考えることもできます。
 

奨学金の負担は大きい?返済の実態を知っておこう

一方で、大学進学には費用がかかります。私立大学4年間でかかる費用は、学費や生活費も含めておよそ500万円〜700万円に達することも。これをすべて奨学金で賄った場合、卒業後の返済は20年に及ぶこともあります。
 
日本学生支援機構の第一種(無利子)・第二種(有利子)の奨学金制度を利用するケースが多いですが、毎月の返済額は1万5000円〜2万円前後が一般的。年収300万円程度の若手社会人にとっては、決して軽くはない負担です。
 
ただし、返済猶予制度や所得連動型の返済プランなども用意されており、計画的に返すことができれば、致命的な負担にはなりにくい仕組みも整ってきています。
 

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