なお、今回の映画の“主人公”ともいえる土井先生を演じている声優・関俊彦は、大手事務所・81プロデュースに所属する61歳のベテラン。『ドラゴンボール』シリーズのフリーザ役で知られる同事務所所属の中尾隆聖と共に劇団・ドラマティックカンパニーを主宰していた過去もあり、舞台経験も豊富だ。

 そんな関の業界評について、制作会社関係者は以下のように語る。

「演技は昔から上手で、デビューしてからずっと安定して活動を続けている印象。また、NHKの小学生向け音楽教育番組『ふえはうたう』に1989年度から約8年間、“おにいさん”として顔出し出演していた過去もあるなど、歌唱力も高い声優です。一方で、人当たりはいいものの、神経質で気難しい一面も。とはいえ、話し上手な人なので、イベント時などはその嫌味というか皮肉で会場の笑いを取ってくれたりと、彼に好印象を抱く関係者は少なくありません」(制作会社関係者)

『忍たま乱太郎』乱太郎、きり丸役の高山みなみ&田中真弓は「非の打ちどころがないエキスパート」!

 そのほか、『忍たま』を語る上で欠かせない存在なのが、シリーズを通した主役である一年は組の3人・乱太郎(高山みなみ)、きり丸(田中真弓)、しんべヱ(一龍斎貞友)だろう。

 一龍斎は、『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)のマサオ役でも知られる声優で、現在は講談師としても活躍。また、高山と田中といえば、それぞれ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の江戸川コナン、『ONE PIECE』(フジテレビ系)のモンキー・D・ルフィ役で知られている。

 声優事情に詳しいライター・勅使河原みなみ氏は、特に高山と田中について、「どちらの声にも明確な個性があり、また演技力にも優れていますし、非の打ち所がなく、声優界のエキスパートと呼べる存在」と話す。

「まず、高山さんは、コナンを代表とした少年役が得意で、見事な演技で多くのファンに愛されてきました。また、ナレーター業を行ったり、95年に『TWO-MIX』という音楽ユニットでデビューして作曲も手掛けるなど、マルチな才能を発揮。音楽活動も成功し当時は非常に人気がありましたが、決してそれをひけらかすことなく、地に足をつけた姿勢で声優業を中心に活動を続けている点が魅力です。それに人間性も優れた方で、現場ではサバサバとした印象でしたし、後輩への気配りも欠かしません。演技に対して口を出すのではなく、自らの背中を見せるタイプです」