仕事が忙しくて会社の「健康診断」をなかなか受けられません。健康診断を受けないと罰則などはあるのでしょうか?
毎年行われる会社の健康診断。しかし、「仕事が忙しくてなかなか受ける時間がない」「日程が合わず後回しにしてしまう」という方も多いのではないでしょうか。   そこで気になるのが、「会社の健康診断を受けなかった場合、何か罰則があるのか?」という点です。また、健康診断を受けないことで、自分の健康や職場での評価にどのような影響があるのかも気になるところでしょう。   本記事では、会社の健康診断の義務、受けなかった場合の罰則の有無、そして健康診断を受けないことで生じるリスクについて解説します。

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会社の健康診断は法律で義務付けられている?

会社の健康診断は、労働安全衛生法に基づき、企業が従業員に対して実施することが義務付けられています。これは、従業員の健康状態を定期的に確認し、病気の早期発見・早期治療を促すことで、働く環境を安全に保つためのものです。
 
企業が実施すべき健康診断には、主に以下のような種類があります。

●雇入時の健康診断(新しく入社した従業員が対象)
●定期健康診断(常勤の従業員を対象に年1回実施)
●特定業務従事者の健康診断(有害物質を扱う業務に従事する従業員が対象)
●海外派遣労働者の健康診断(海外勤務者が対象)

このうち定期健康診断は、一般の従業員が毎年受けるものに該当します。企業は、年1回の定期健康診断を実施し、従業員に受診させる義務があります。
 

健康診断を受けないと罰則はある?

健康診断を受けなかった場合の罰則は、会社側と従業員側で異なるため、それぞれ分けて解説します。
 
<会社が健康診断を実施しなかった場合>
企業には、従業員に健康診断を受けさせる義務があります。これを怠った場合は労働安全衛生法違反で50万円以下の罰則が科され、労働基準監督署から是正勧告を受けることもあります。特に、従業員の健康管理を怠ったことが原因で労災につながった場合、企業の責任が問われる可能性も高くなります。
 
<従業員が健康診断を受けなかった場合>
従業員が健康診断を受けなかった場合、法律上の直接的な罰則はありません。ただし、以下のようなデメリットやリスクがあります。
 

1. 会社からの評価が下がる可能性がある