奨学金を返還中の26歳の息子が病気に…働けなくなった場合、親が代わりに支払うのでしょうか?
奨学金は種類によって返還が必要ですが、返還中に事故や病気、退職といった事情で返還が難しくなるケースもあるでしょう。子ども本人が払えなくなり延滞を続けると、親が代わりに支払うことになる場合があります。   しかし、無断延滞状態になる前に利用できる制度もあるので、経済的に困難が生じた場合は、その時点で相談することが大切です。今回は、奨学金の返還を親がする状況や、返還が難しいときに利用できる制度などについてご紹介します。

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奨学金は親でも返還できる?

基本的に、奨学金の返還は借りた本人がする必要があります。しかし、さまざまな事情で本人による返還が難しくなったり、本人が無断で滞納したりするケースもあるでしょう。こうした場合に備えて、独立行政法人日本学生支援機構では保証制度を採用しています。
 
人的保証制度は一定の条件を満たす連帯保証人として原則両親を、保証人として原則おじ・おばもしくは兄弟姉妹などを指定し、本人が支払えなくなったときは代わりに返還の責任を負う制度です。連帯保証人や保証人へと返還が求められる流れは以下の通りです。


(1)奨学金を借りた本人が滞納をする
(2)督促を受けても滞納をした場合、個人信用情報機関に延滞情報が登録され、日本学生支援機構からは連帯保証人へ返還が請求される
(3)連帯保証人も延滞したときや、返還が困難なときは保証人に返還が求められる

上記の流れからも分かるように、本人が延滞を続けると連帯保証人になった親が支払います。無断で延滞を続けると個人信用情報機関に延滞情報が登録され、その後の生活にも影響が出る可能性があるでしょう。
 
また、延滞できないからと親がお金を立て替えると、贈与税の課税対象になる可能性があります。返還金を立て替える前に、独立行政法人日本学生支援機構に相談して、利用できる制度がないか確認しましょう。
 

奨学金の返還が難しいときに利用できる制度