「結婚しない若者が増えている」と最近よく耳にします。結婚できないというだけでなく、あえて結婚しない若者も増加傾向にあるといわれています。ほんのひと昔前まで、男女ともに結婚することは当たり前のことでしたが、いったいなぜ、結婚しない若者が増えているのでしょうか?

未婚者は本当に増えている!?

2015年度の25~29歳の若者における未婚率は男性が72.7%、女性は61.3%という結果でした(内閣府「平成30年度版 少子化社会対策白書」より)。

1975年では男性は50%程度、女性は20%程度だった未婚率の調査結果と比べると、若者の未婚者が増えていることは明らかです。さらに、30~34歳、35~39歳の年齢層においても、男女ともに以前と比較して未婚率は上昇しています。

また、50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」も男性23.4%、女性14.1%と2015年度で過去最高の結果になりました。生涯未婚率は今後も上昇すると考えられており、これからも未婚者は増える傾向といえるでしょう。

多くの若者が独身を選ぶ理由

それではなぜ、若者の多くが結婚せずに独身のままでいるのでしょうか。若い世代を大きく2つに分けて調査したところ、それぞれに理由が見えてきました(「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」2015年国立社会保障・人口問題研究所より)。

18~24歳の若い年齢層は「結婚する理由がないから」

独身でいる理由として、18~24歳の比較的若い年齢層においては「まだ若すぎる」「まだ必要性を感じない」「仕事や学業に打ち込みたい」など、結婚する積極的な理由が見当たらないといった意見が多く挙げられます。

特に「仕事や学業に打ち込みたい」と答える女性は年々増加傾向にあり、女性の社会的な役割の変化が大きく影響していることがわかります。また「結婚資金が足りない」という回答も男性24.4%、女性19.9%と比較的高く、結婚したくても経済的な事情で難しいと感じている若者も決して少なくないようです。

25~34歳の年齢層は「結婚できないから」

一方、25~34歳の年齢層では、「適当な相手にめぐり会わない」という理由が男女ともにトップでした。年齢層が上がるにつれ、「結婚しない」のではなく「結婚できない」と感じている人が多くなっているようです。

さらに若い年齢層と同じく、「結婚資金が足りない」と回答した割合も高く見られました。年齢層を問わずに、経済事情の厳しさが結婚へ大きく影響しているようです。とはいえ、どちらの年齢層においても「趣味や娯楽を楽しみたい」「自由さや気楽さを失いたくない」という理由も多く、まだまだ独身を謳歌したいと感じている人が多いこともわかります。