大企業と中小企業で「人手不足」の度合いに違いはあるのでしょうか? 「正社員不足の割合」について、調査結果を基に解説
少子高齢化が進む中、人手不足に悩む企業は増えているようです。自社の人手不足を目の当たりにしながら、他社ではどうなのか、大手企業と中小企業で違いはあるのかなど気になる方は多いのではないでしょうか。   そこで本記事では、大企業と中小企業の「人手不足」の度合いを比較しながら解説します。

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正社員の人出不足の度合い

最初に、正社員の人手不足の状況を大企業と中小企業で比べてみましょう。
 

大企業と中小企業の正社員の状況

東京商工リサーチによると、企業全体の正社員の人出不足は、2024年度の調査結果では69.3%で、約7割の企業が人出不足に陥る結果となっているようです。前年度の66.5%から悪化する形となっています。
 
正社員の人手不足の状況を、以下の表1にまとめました。
 
表1

非常に不足 やや不足 充足 過剰
全企業 11.82% 57.50% 26.00% 4.66%
大手企業 13.06% 64.60% 18.28% 4.03%
中小企業 11.69% 56.78% 26.77% 4.73%

※株式会社東京商工リサーチ「2024年 企業の「人手不足」に関するアンケート調査」を基に筆者作成
 
正社員不足のアンケート結果を大手企業・中小企業で分けて見ると、大手企業421社のうち「非常に不足」「やや不足」が8割近くを占め、人手不足に直面しています。一方、中小企業は約7割で、大手企業よりもやや少ない割合です。
 

非正規社員の人手不足の度合い

続いて、非正規社員不足の調査結果を見ていきましょう。
 

大企業と中小企業の非正規社員の状況

東京商工リサーチによると、企業全体の非正規社員不足は38.7%で、正社員不足の約7割から大きく下回ります。半数以上の企業が「充足」しているとの回答でした。
 
非正規社員の人手不足の状況を、以下の表2にまとめました。
 
表2

非常に不足 やや不足 充足 過剰
全企業 5.18% 33.55% 56.92% 4.33%
大企業 4.12% 38.65% 51.80% 5.41%
中小企業 5.30% 32.97% 57.50 % 4.21%