さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている昨今ですが、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回は忘年会の出し物を強制されたというエピソードです。

Q. 忘年会の出し物の強制参加、これって…?

私は今年から食品製造会社に転職をしたので、今の会社ではじめての忘年会があります。あまり話したことがない人も多いので楽しみにしていたのですが、どうやらこの会社では新入社員は必ず出し物をやらなければいけないのが暗黙のルールになっているようです。

その出し物というのが流行りのアイドルの曲に合わせてダンスを踊るというものでした。しっかり衣装も準備してあって、足がるミニスカートを着なければいけないようです。私はダンスも衣装も着たくないと思い断ろうとしたのですが上司から「これは強制参加だし、みんなやっていることだから」と断られました。忘年会は仕事ではないのに、なぜ強要されるのか理解できません。さらに練習もお昼休みに行うことが多く、休憩時間も休まりません。どうしてもやらなくては行けない事なのでしょうか?(穂乃果/26歳/事務)

A. 強制されればセクハラになる!

穂乃果さんの状況ですと、年齢的にも転職が増えてきますよね。とくに今年から食品製造会社に転職をしたとのことで、今年の忘年会には気合が入っているでしょう。緊張のほうが多いかも知れません。暗黙のルール自体は、慣習なのでしかたがないとしても、嫌な人を強制的に参加させるようなことがあれば、それはパワハラ・セクハラに該当しえます。ましてや、その出し物というのが流行りのアイドルの曲に合わせてダンスを踊るというものであれば、慣習に従うというより、積極的に自分から手をあげてやるのではなく、事実上強制されたのであればセクハラです。しかも、上司の方の発言は、強制参加だし、みんなやっていることだからという理由で強要するものでした。これは完全にセクハラになります。