老人ホーム選びは、人生最後の高価な買い物と言われています。しかし、せっかく入所しても退去しなければならなくなるケースも少なくありません。老人ホーム選びで失敗しないためにも、あらかじめ退去理由を知っておくことが大切です。今回は、退去を防ぐための対策と合わせて解説します。

老人ホームを退去しなければならない3つのケースとは?

まず、退去を余儀なくされる代表的な3つのケースを紹介します。

ケース1:医療が必要になる

老人ホームでは、必ずしも看護師が常駐しているとは限りません。また、看護師が常駐していても、老人ホームで受けられる医療行為には限界があります。そのため、高度な医療が必要とされる状態になった場合、退去に至るケースがあります。

ケース2:認知症が進む

認知症の症状が進行し、結果的に退去せざるを得なくなる場合もあります。ある程度は老人ホームで対処してくれますが、他の入居者とトラブルが絶えないような場合には、そのまま集団生活を続けることはできません。

ケース3:利用料を支払えない

利用料を支払えない場合、老人ホームから退去を迫られることになります。入所する時点で子どもが保証人になっていた場合、まずはそちらに連絡がいきます。万一支払いが滞るときは、家族に包み隠さず相談し、対策を考えましょう。

老人ホームからの退去を防ぐための確認ポイント

せっかく入所したのに、すぐに退去することになってしまうと、本人にも家族にも負担がかかります。退去を防ぐため、老人ホームを選ぶ際には次のような点を確認しましょう。

老人ホーム選びのポイント1:医療・介護ニーズへの対応

医療・介護ニーズが高まったとき、引き続きサービスを受けられる老人ホームかどうか、入所時にしっかり確認しましょう。過去の退去理由を質問することで、どの程度の医療・介護ニーズに対応できるか見えてくることもあります。

老人ホーム選びのポイント2:職員の配置状況や勤務体制

配置状況とは、要介護者に対する介護・看護職員の人数です。要介護者に対して、職員の配置人数が少なすぎると、手厚いサービスを受けることができません。また、夜間の勤務体制も重要です。万が一、夜間に緊急事態となった際に、きちんと対応できるかどうかを確認しましょう。

老人ホーム選びのポイント3:職員の資格

専門的な知識を持った職員がいると、安心して必要な介護を受けられます。介護福祉士や理学療法士など、身体機能の維持・回復を図るためのサポートをしてもらえる老人ホームだと安心です。

確認ポイント4:入所後にかかる費用

老人ホームは、運営者(民間または公的)やサービス内容などによりいくつかの種類があり、入居時にかかる費用や毎月の負担額もさまざまです。費用負担を計算し、入所前に無理のない資金計画を立てることも大切です。