「Colmar(コルマール)」はフランスとドイツの国境に位置するフランス北東部にある小さな街です。アルザス地方の魅力にあふれ、日本人にも人気の観光地です。本来なら年末はクリスマスマーケットで大賑わいなのですが、今年は静かなクリスマスとなりました。今回はそんな冬のコルマールをバーチャルツアーで紹介します!

「Petite Venise (プティットヴニース)」と呼ばれるこの場所が目の前にあらわれた瞬間に、ここはおとぎの国だろうか?と思うほどの眺望。メルヘンの世界観そのものでした。この色とりどりのコロンバージュ(木組み)の建物が川の水面に反射して、少し寂しげな冬空を華やかにしてくれます!通常であれば、この場所で平底船に乗って景色を一望することができます。

『Maison Pfister (メゾン プフィスタ)』は1537年に帽子製造者によって建てられました。帽子屋、この木製のドア、廊下の柱…何か気づいたでしょうか?
そうです!こちら、ジブリ映画『ハウルの動く城』のモデルとなった建物なのです。16世紀に建てられたとは思えないほど美しく保存されていて、あのドアを叩いたらその時代にタイムスリップしてしまいそう…そんなひと時でした。

 

コルマールを楽しむ4つのポイント

① 目下にも小さな発見が

その美しい街並みに落ち着く暇もないほどキョロキョロとしてしまうのですが、目線を下に移すとこんな表示が。Colmarと自由の女神のシンボル。あとで知ったことなのですが、実はあの自由の女神の作者はここ、コルマールの出身なのだそう!
この小さな街で生まれたアーティストが誰もが知っている銅像を作ることになったのだと考えるとなんともドラマティックだなと思いました。

 

② ドイツとフランスが融合されたグルメをチェック!

残念ながら、コロナ渦のためレストランは閉店中。その中で人々が列をなしていたのがパン屋さんです。パンの種類は一目瞭然、パリとは違うラインナップが楽しめます!注目してほしいのは、写真左のパンはアルザス名物の人の形をしたパン。アルザス地方では、12月6日に「もうひとつのクリスマス」と呼ばれる日があり、その「聖ニコラウスの日」に食べられていたのがこの伝統的なパン、「Manala(マナラ)」です。このマナラの起源は少しホラーなので、詳しく知りたい方は気をつけて検索をしてみてください(笑)。

友人がプレゼントしてくれたこちらの「Crémant d’alsace (クレマン ダルザス)」というシャンパンがとってもおいしかったのでご紹介。実はフランスではシャンパンと呼べるワインは、ある地域で、決まった醸造方法でできたものだけを指すそう。こちらは正しくはシャンパンではなく「クレマン」と呼ばれる発泡酒だそうです!シャンパンよりも泡が柔らかく、酸味が少ないので食事の味を邪魔しないワインだと思いました!
右の写真はアルザス地方でよく見られる足長のワイングラス。このフォルム、パリでみられるおしゃれなグラスに比べてなんだか愛らしい。ここではすべてのものがかわいいんです。

 

③ 街のシンボル、コウノトリのお気に入りグッズを見つける

コルマールの街で一番目にするのがこのコウノトリ。お土産や壁画、いたる所でその姿を見ることができます。このかわいくて縁起のいいコウノトリグッズ、ひとつはお土産に手に入れたいですね!私は写真右の卵スタンドをお持ちかえり。

 

④お気に入りの看板と出会う

パリでは見かけることのないような伝統的な看板をあちこちで見ることができます。花は花屋さん、靴は靴屋さんと、昔は現代と違ってそれそれの職業に華と誇りがあったんだろうなーと感じる看板のデザインたち。ぜひお気に入りを見つけてください!

コルマール旧市街をぐんぐん歩いていくとそのメルヘンな街並みの中に荘厳な出立ちの大きなサンマルタン教会が現れます。夜はライトアップされて、クリスマスのデコレーションにさらなる華やかさを与えてくれます。この日、たまたま教会に訪れるとクリスマスのミサが行われていました。その数分間の美しい賛美歌の中、2021年はこのパンデミックが少しでも収束しますようにと願うばかり。教会から出ると、手の甲に冷たい塊がひらり。私にとってこれが、2020年のフランスでの最初で最後の雪となりました。

コルマールの空を見ながら、1日でも早く世界が落ち着くことを祈りました。

 

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