前者は漫画家・陽東太郎氏の同題作品(スクウェア・エニックス)をTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE・吉野北人主演で実写化。共演には宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、高石あかり、堀未央奈(元乃木坂46)ら注目の若手が名を連ね、監督は『映画 おそ松さん』の英勉氏、脚本は鈴木おさむ氏が担当している。
ネット上では、「実写モノでは成功の部類じゃない?」「原作と違う部分も納得できて楽しめた」などと原作ファンからも好意的な声が上がっているものの、全国344スクリーンと大規模で封切られたにしてはやや厳しいスタートとなった。前出の北村氏は以下のように語る。
「初週で伸び悩んだ要因としては、クラスの“序列”トップとされた生徒の“謎の死”をきっかけにメンバーの本性があぶりだされていく……という少々センセーショナルで見る人を選ぶ題材という点、主演の吉野北人さんはじめ、10~20代女性に人気のキャストが揃っており、層が限られている点、『サンセット・サンライズ』や『敵』、『満ち足りた家族』など話題作の好調が続いている点が挙げられるかと思います。
また、鑑賞した人の口コミもそこまで“大好評”というわけではない点も関係しているかもしれません。映画を鑑賞した感想としては、良くも悪くもTikTokをはじめとする短尺動画に慣れた層向けに作られた、とにかく飽きさせない、アテンション続きの作品だと感じる面がありました。脚本はそこまで破綻しているわけではなく、最後の展開は一捻りあり満足も納得もできるので、『366日』のようにこれから良い口コミが増えてくる可能性も考えられます」
一方で『ベルサイユのばら』は、漫画家・池田理代子氏の名作漫画(集英社)を新たにアニメ映画化し、全国156スクリーンと小規模での上映開始ながら9位に初登場。同作の奮闘もあり、25年の全国週末興行成績ランキングにおいて、初めてトップ10内の半数をアニメ映画が占めることとなった。