ひと昔前はお中元を贈り合うのが習慣であった。今ではその儀礼的なギフト贈答市場は縮小しつつあるが、ビジネスの現場では、手土産を戦略的に使い成果を上げている人もいる。仕事のデキるビジネスマンほど、相手の印象に残る手土産のテクニックを持っているのだ。

手土産を用意することで、ビジネスに差がつく?

オープンテーブルが2016年に発表した「接待に関する意識調査」によると、接待の際は、約半数の人が「お土産を用意する」と答えており、ビジネスで差をつけようと手土産でも趣向を凝らしているのがわかる。

珍しいお土産や人気のお菓子などの手土産は、「気遣いのできる人」=「細やかに仕事ができる人」のように、相手にいいイメージを与えることができる。いいイメージを与えることは、ビジネスの上では非常に重要であり、大事な商談などで優位に働くかもしれない。たとえ直接的な成果に結びつかなくとも、ビジネスでのちょっとした手土産は、相手の心象を良くするのに効果的であることに間違いはないだろう。

手土産を選ぶ際のポイントとは?

手土産を選ぶ際は、どのようなことに気をつければよいのだろうか。主に気をつけるポイントとしては3つあると言われている。

1つは、贈る相手だ。贈る相手といっても商談相手だけを見るわけではない。たとえばキーマンが部長だとしても、部長が喜ぶものが正しい手土産とは限らない。部長が手土産をおすそ分けする相手を想定して手土産を選ぶことが鍵となる。家に持って帰ってもらうものなら、部長の家族が喜ぶものを、職場で分けるものであれば、部長のチームメンバーが喜ぶものを用意するのがいい。

2つ目は、ストーリーだ。人は「限定モノ」や「語れるモノ」に弱い。そういった特別なものを用意してもらったとなれば、当然印象に残りやすくなる。手土産を渡す際に、その手土産が「語れるモノ」であることも、差をつけるポイントといえるだろう。

3つ目は、シチュエーションだ。同じ手土産でも、激励に行く際と謝罪に行く際では手土産のイメージも異なる。たとえば謝罪の際は、形が丸いことから「角がたたない」手土産としてバームクーヘンを準備する、という人もいるようだ。この例は大げさだとしても、謝罪に行く際は、気をてらった話題性のある手土産ではなく正統派な手土産を渡すことで、真摯な気持ちをアピールすることができる。シーンや相手によって、手土産を使い分けることが重要なのだ。