大学生のときに「学生納付特例制度」を2年間、利用していました。冬のボーナスが入り少し潤ったので「追納」したほうがよいのでしょうか?
20歳を迎えると国民年金保険料を納める必要がありますが、学生納付特例制度を利用すると在学中の保険料の納付が猶予されます。   学生納付特例の承認を受けた期間は、国民年金を受け取るのに必要な「10年間の保険料納付済期間」に含まれ、さらに、10年以内であれば保険料をさかのぼって追納することもできます。   年金額は減ってしまうので追納して年金額を増やすとよいといわれていますが、ほかの選択肢はないのでしょうか? 本記事で解説していきます。

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老後の備えは若いうちから。限られた収入を有意義に使おう

少子高齢化の進行に伴い、これから老後を迎える方は以前よりも自助の割合を大きくする必要があります。
 
人生において収入は必ずしも増え続けるわけではなく、収入が若いときよりも減ってしまうこともありますし、会社員であれば健康状態に関わらず、基本的に定年退職等を境に収入が大きく減少してしまいます。
 
収入の増減のほかにも、物価変動や年金制度における所得代替率(給付開始時における年金額の現役世代の手取り収入に対する割合 ※厚生労働省より)の低下などさまざまな問題に対応することになるので、お金を有意義に使えるようマネーリテラシーを高めていくことが求められています。
 
限られたお金を効率よく将来の蓄えに回したいと考えた場合、「国民年金保険料の追納」のほか、「NISAの利用」と「iDeCoの利用」などが選択肢として挙げられます。
 

国民年金保険料を追納するメリット・デメリットは?

国民年金保険料を追納するメリットは、将来受け取る国民年金の給付金額を増やせることです。国民年金の老齢給付は納付済期間に応じて増減し、40年間保険料を納付することで満額になります。
 
2024年度の国民年金の老齢給付額は満額で81万6000円ですが、もし2年分を追納しなかった場合は77万5200円と年額4万800円の減額となります。
 
一方、支払う国民年金保険料は2024年度で月額1万6980円、2年分で40万7520円なので、およそ10年で減額された合計額とほぼ同額になり、損益分岐に達します。
 
仮に2024年度の内容で23歳の方が追納し、65歳から90歳まで年金を受け取った場合、年金は約100万円増加します。
 
増加された額で亡くなるまで給付されるので長生きすればするほどメリットは増しますが、当初10年間はマイナスになる点や遺族基礎年金の対象でないと相続財産として遺族の生活保障に活用できない点がデメリットといえます。
 

NISA・iDeCoを利用するメリット・デメリットは?