出典:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より筆者作成
 
高齢者世帯の中で、「大変ゆとりがある」や「ややゆとりがある」と回答したのはわずか4.3%で、「普通」と感じる層は36.7%にとどまりました。一方で、「やや苦しい」と「大変苦しい」と答えた割合は59.0%に上り、多くの世帯が経済的な困難を抱えている現状が浮き彫りになっています。年金収入のみでの生活には工夫が必要といえるでしょう。
 

老後の収入源を確保するための方法

年金だけで生活を維持するのが難しい場合、定年後も仕事を続けたり、副収入を得たりして、老後の収入源を確保する必要があります。健康状態やライフスタイルに合った選択をすることで、老後の生活にゆとりを持たせることは可能です。
 
ここでは、収入を確保するための方法を3つ紹介します。
 

再雇用制度を利用して長く働く

現在、多くの企業では高年齢者雇用安定法にもとづき、65歳までの雇用を確保する取り組みが進められています。再雇用制度を利用することで、定年後も同じ職場で働き続けることが可能です。ただし、給与や業務内容が変わる場合もあるため、事前の確認や相談が大切です。
 
また、再雇用期間中に退職後の計画を立てることで、次のステップに向けた準備も着実に進められるでしょう。
 

パートやアルバイトで働く

体調や生活スタイルに合わせて選べるパートやアルバイトは、老後の仕事として手軽に始められる方法です。職場は自宅近くで探せることが多く、資格や経験を問わない仕事も豊富です。最低賃金は地域ごとに異なりますが、短時間の勤務でも一定の収入を得られるため、生活費の補てんに役立ちます。
 

使わなくなったものを売却する

不要な物品を売却することで、手軽に副収入を得ることも可能です。フリマアプリを活用すれば、スマホ一台で簡単に出品から取引まで完結できます。洋服やアクセサリーはもちろん、意外なものが売れることもあります。
 
店舗型のリサイクルショップより高値で売れることが多く、副収入として利用する価値はあるでしょう。販売手数料を差し引いても利益を得やすく、初期費用がかからない点が魅力です。
 

貯蓄が少なく夫婦二人で年金が15万円なら収入源の確保が必要