住宅ローンで最大4000万円借りられるのですが、上限いっぱいで借りるリスクはありますか?
まず、住宅ローンで上限額まで借りると、返済負担が増え、生活費や将来の資金計画に支障をきたすリスクがあります。さらに、金利上昇や収入減少など、将来的に家計が不安定になってしまう可能性もゼロではないでしょう。   本記事では、こうしたリスクを軽減するための対策や適切な借入額の判断基準を解説し、無理のないローン選びのポイントをお伝えします。

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住宅ローンを上限まで借りるリスクとは

住宅ローンを借り入れ可能額の上限まで利用することには、大きなリスクを伴う点に注意が必要です。
 
第1に、毎月の返済額が高額になることで家計を圧迫し、予期せぬ支出やライフイベントに対応する余裕が失われる可能性があります。特に金利が変動するタイプのローンでは、金利上昇時に返済額がさらに増加し、返済不能に陥るリスクが高まります。
 
第2に、借入額が大きい場合、住宅の価値が下がった際に売却額がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態になることです。場合によっては、転居や家計の再構築が難しくなる恐れがあります。
 
これらのリスクは、家計全体のバランスや将来の生活設計に大きな影響を及ぼす可能性があるため、慎重に検討しなければなりません。
 

住宅ローンのリスク軽減方法

住宅ローンのリスクを軽減するためには、借入額を抑えるのが基本です。頭金を多く準備し、ローンの割合を少なくすることで返済負担が軽減できます。
 
また、自身の状況に合わせた金利タイプを選ぶことも重要です。
 
国土交通省住宅局の「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」では、変動金利型・全期間固定金利型・固定金利期間選択型・証券化ローンのタイプ別に実績の調査が行われており、新規貸出額において、令和4年度では変動金利型が77.9%と最も多く選ばれています。
 
平成30年度の60.5%から実績の割合は上昇しており、低金利のローンを選択する人が増えていることが分かります。
 
次に、家計に余裕を持たせるためにも、緊急時の備えとして生活防衛資金を確保しておくことも重要です。さらに、万が一の事態に備えて団体信用生命保険や収入保障保険などの保険商品を検討することも有効です。これらの対策を講じることで、いざというときでも家計への影響を最小限に抑えられるでしょう。
 

適切な借入額の判断基準