◆俳優・伊藤英明の決断
伊藤英明が所属事務所グランパパプロダクションを退所する決断した理由について考える上で、おさえておくべきことは大きくふたつ。ひとつは、現在48歳の伊藤が50歳を前にして、「今までのキャリアに自信がない」こと(Yahoo!ニュース Voiceのインタビューより)。
もうひとつは、1997年から2022年まで25年間所属したA-Teamの創業者で、俳優としての伊藤を根底から形成した小笠原明男が2018年に亡くなったこと。
「今までのキャリアに自信がない」という伊藤自身の言葉からは、“俳優イコール商品価値”としての判断をどこに置くのかが、もはや自明のことではないという正直な気持ちが伝わる。
いずれにしろ、50歳になったときの俳優・伊藤英明を想像したとき、意識的にも無意識的にもミドルエイジクライシス(中年の危機)をうっすら感じたのか……。30年近くも第一線で活躍してきたこれまでの俳優活動を踏まえれば、あまりにも切実な感覚だろう。