◆性格なのか?病気なのか?
――「中年なら多かれ少なかれ誰にでもあるよね~」くらいで片付けられちゃったってことですね。
犬山:そうですね。でも「そうじゃない」という違和感はあって。それからは「ネガティブな性格というのを差し引いても、やっぱりメンタル関連の病気なんじゃ?」という考えを強くして、ネットでうつの症状について改めて調べ直したら「これかも」って。
うつというとガラリと雰囲気が変わると思っていたけど、その人のパーソナリティの延長線上に症状が出る人もいるんだなって。症状はさまざまで、ひと括りにできないんですね。
――劔さんがうつだと思ったとき、本人にはすぐ知らせたんですか?
犬山:いや、夫にはめちゃめちゃ言いにくかったです。ただでさえ自己否定感がすごいのに、「あなたはうつかも」と言うことによって余計悪くなるんじゃないかと怖かったですね。
――劔さんは薬を飲まれたりと治療を始めていくなかで、改善していく実感はありましたか?
劔:少しずつ元気になっていったのかなと思います。本当にそんな感じの認識しかないのですが。
犬山:効果を感じるまで多少時間はかかったよね。でも、体が重くて全然動けないという日は明らかに減っていったし、自分を責め続けてどうしようもなくつらそうにしている時間も減ったように思います。
最初に行った“ハズレ”とは別のカウンセリングにも行き、「俯瞰で自分の感情を認知する」こともやれるようになってきました。たとえば、「あぁ、今自分を責めちゃってるな」とまず認知する。そうすれば対処もできるという“知恵”もついてきて。
私もカウンセリングを受けたことによって以前よりも怒りにくくなったし、「怒ってるから別の部屋行かなきゃ」とすぐ対処できるようになったり。
劔:確かに妻は怒らなくなりましたね。ありがたいです(笑)。