私立中学に通った場合、教育関連の出費は学校へ支払う納付金だけではありません。塾や習い事など、学校外で費用がかかる可能性もあります。
 
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学に通う子どもの学校外活動費の平均は42万2981円です。初年度納付金98万9125円と合わせると、およそ140万円が初年度に必要となります。
 
なお、年収は満額が手取りになるわけではありません。手取り額は年収のおよそ75%~85%といわれているため、年収400万円の場合は手取り300万円~340万円となり、手取りから教育費を引いた残りは、160万円~200万円になると考えられます。そのため、この額で生活ができるのかを十分に考える必要があるでしょう。
 

私立中学に子どもを通わせる家庭の世帯年収

世帯年収400万円でも、私立中学に子どもを通わせている家庭はゼロではありません。「令和5年度子供の学習費調査」を基に、私立中学へ子どもを通わせている家庭の世帯年収分布を表したものが表2です。
 
表2

400万円未満 400万円~
599万円
600万円~
799万円
800万円~
999万円
1000万円~
1199万円
1200万円以上
5.4% 7.3% 11.4% 15.7% 18.4% 41.9%

※e-Stat政府統計の総合窓口「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
 
世帯年収で最も多いのは1200万円以上ですが、年収400万円~599万円、400万円未満の世帯を合わせると12.7%います。年収400万円では、生活費に回せる額が少なくなってしまうものの、私立中学へ行かせるのは不可能ではないことが分かります。
 
ただし、子どもの数や親からの援助など、各家庭によって生活状況は異なる可能性があるため、ご家庭の状況を踏まえたうえで考える必要があるでしょう。
 

世帯年収400万円でも子どもを私立中学へ行かせることはできるが、生活が厳しくなる可能性がある