「Aさんは地元の主婦の中心的存在で、ハイブランド品の自慢に生きがいを感じているような人だったんですよね。だからまさかそんなケチくさいことをしているなんて思わなくて驚愕でした」
苦笑しながらそう語る純子さん。Aさんのことはそれ以前からなんとなく苦手で、自分から接することはあまりなかったそうです。
「その後さらに驚くことがあって…なんと夫が処分したはずの古着をAさんの娘が着ているところを見たんですよ。慰安旅行でバンコクに行った時に買った珍しい柄の古着なので一発で分かりました。えー!って感じですよね…」
◆仕掛けた罠にハマったA子さん
「なんていうんですかね…ゴミといっても、こっちは一応いろんな思い出を感じながら、一つ一つにさよならを言って手放しているんです。それをいとも簡単に持って行かれて、この気持ちわかります? なんとなく複雑な思いがするんですよ…」
気が済まない純子さんは、粗大ゴミ泥棒を阻止しようとある罠を仕掛けたのでした。その方法は、夫が例のバンコク旅行の際に騙されて買ってきた超ハイブランドの偽物のハンドバッグを、透明のビニール袋に入れゴミ置き場に置くというもの。
「Aさんはゴミ置き場を双眼鏡で見てるんですかね? ものの数十分後にはそのバッグは跡形もなく消えていました。びっくりしたのは、その日の夕方に近所のスーパーに行ったら、少しよそ行きの格好をしたAさんが早速そのバッグを手にして歩いていたんですよ! もうびっくりして声も出ませんでした」
純子さんは興奮気味にそう語ってくれました。
◆とどめの一発を浴びせる
それから数日経ったある日、いつものように向かいのマンションの入り口で立ち話をするAさんを目にした純子さん。Aさんの手には例のハンドバッグがしっかり握られていたので、チャンス到来とばかりに駆け寄って行った純子さん。
「わーAさん! お持ちのバッグとってもいいですね! それって日本では手に入らない代物ですよね。どちらで?」