栃木県佐野市植野町にある大聖院にて、1月25日(土)~3月9日(日)の期間限定で特別御朱印の授与を行う。

この御朱印は、同期間に佐野市吉澤記念美術館で開催される、佐野市制20周年記念特別企画展『丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!』に、大聖院所蔵の天明鋳物でつくられた銅鐘「法華の鐘」から採られた「大聖院銅鐘拓本」が展示されることを記念し企画された。

梵鐘全体に刻まれた『法華経』

天明鋳物とは栃木県佐野市で生産されている伝統的な鋳物であり、平安時代中期の天慶年間(938~947年)に始まり、千年以上の歴史がある。


銅鐘の中でも、仏教寺院で使用されるものを特に梵鐘(ぼんしょう)と呼ぶが、大聖院の梵鐘「法華の鐘」は元文4年(1739年)に、天明鋳物師である丸山善太郎によってつくられたもので、佐野市指定有形文化財に認定されている。口径73.0cm、総高136.4cm、総重量487kgと大きな梵鐘だ。


梵鐘を鳴らせば『法華経』の全巻を読誦したことと同じ功徳が得られるように、梵鐘の全体に『法華経』の全文6万9千字が刻まれていて、企画展ではこの梵鐘から採られた拓本が展示される。

大聖院の梵鐘について

大聖院の梵鐘は歴史的にも価値のあるものとなっている。戦時中、金属類回収令が出されたことをきっかけに、梵鐘の多くは金属の供出として国に回収され失われてしまった。

大聖院の梵鐘は、保護活動に取り組んだ今回の企画展の主役である丸山瓦全の活躍により、供出を免れた現存する数少ない貴重な梵鐘だ。

特別御朱印を授与


今回配布される特別御朱印には、梵鐘の撞座(鳴らすために棒でつく部分)の拓本を元に制作された印章が押印されている。この印章は、毎年12月31日「除夜の鐘」の参拝者に授与される御朱印にのみ押される特別なもの。

限定御朱印の授与は企画展の開催期間と同じ、1月25日(土)~3月9日(日)の期間限定で行われる。受付時間は9:30~17:00となっており、500円(予定)の志納料で押印済みの御朱印を1枚授与する。