そんな『べらぼう』を、ドラマ評論家でコラムニストの吉田潮氏はどう見たのか。

「昔ながらの大河好きには賛否が分かれるかもしれませんが、個人的には、正直“戦国武士モノ”に飽きていたので、今までにない“庶民”のテーマとして注目しているところです。

まず脚本家の森下佳子さんは、女性からの話題を集めた23年1月期にNHKドラマ10枠で放送された“男女逆転”のSF時代劇『大奥』を手がけ、今回そのスタッフチームも参加している。さらに森下さんは、『JIN‐仁‐』(TBS系)で吉原の遊郭に触れ、性感染症や妊娠についても取り上げたことがある人です。大河でどこまで踏み込めるかは未知数ですが、時代や政治、社会に翻弄される売春宿の女性の運命をどう描くかは気になります」

 主演は横浜流星だが、吉田氏は「実質的には“女性”のあり方を描く大河」だという。

「小芝風花の花魁には物足りなさも感じましたが、共演に高橋克実や山路和弘、渡辺謙、かたせ梨乃など、手練れの俳優もそろえていて、全体のバランスはとれていると感じます。展開によっては新しい視聴者を取り込み、回を追うごとに話題になるのでは」

 2025年、旋風を巻き起こしそうな大河ドラマの新機軸に注目したい。

(取材・文=サイゾーオンライン編集部)