冬の朝、まきこさんは「急に思い立ってやりたくなる」と言います。春夏秋冬、家族が一番遅く起きてくるのは、冬ではないでしょうか。冬の朝は、ひとりになれる時間が確保されやすいのです。

半醒半睡で家を歩き、ふと目につくのは薄汚れた靴。つい後回しにしてしまう靴のお手入れですが、ただ一心に汚れを落とす行為は、ひたすら「無」になれる時間でもあります。

ついでに家族の靴もきれいにしたら、感謝のおまけもついてくるかも。最後、靴を洗い終えた布巾で玄関の床を掃除すれば、靴洗いと玄関リセットと、マインドリセットも叶うかもしれません。

◆家事をしながらの、ながら美容

家事は苦手だけど、洗濯は好き。まきこさんと同じ思いの人って、けっこう多いのではないでしょうか。私もそのひとりですが、理由は、「汚れたものが目に見えてきれいになるから」。しかも大半を洗濯機がやってくれるのも大きいです。

憂鬱なのが部屋干しですが、「加湿器替わり」と思考転換すればたちまち節約モード。しかも肌の保湿も担ってくれるかも、というプラス思考で幸福度も高まります。

料理中の蒸気も、保湿としてとらえるまきこさん。味噌汁や炊飯器の湯気、アロマオイルよりも自然で心に染み入る匂いが、心まで潤してくれそうです。とはいえ、「湯気をあびるのは熟練の技が必要です。火傷をする可能性があるので真似しないでください」と注釈付きですので、あくまで気分だけを楽しんでください。

◆毎日は小さな幸福でできている

いい出会い、いい仕事。空から何かいいことが降ってこないだろうか。そんな風に、私達はつい、ないものねだりをしてしまいます。足元を見れば、小さな幸福がいくつもあるというのに、まったく気づいていないのです。

私達がまきこさんに共感するのは、まきこさんが家のあちこちに転がっている小さな幸福を、決して見逃さないから。家事や仕事、夫、子供、毎日接するいつものことが、本当はとてつもなく尊いことなのだと、まきこさんは知っているのです。