昔は16歳未満も「扶養控除」があったって本当? 今は「児童手当」があるから損ではない? 年少扶養控除が「復活」する可能性についても解説
児童手当の制度が2024年10月に改正され、所得制限が撤廃されるなど大きな変更が行われました。そして12月には、新制度に基づく初めての支給が実施され、新たに支給対象となった家庭や、支給額が増えた家庭もあるでしょう。   2024年10月の改正のように、児童手当はこれまでにも2010年の子ども手当導入や2012年の児童手当への変更など、たびたび制度の見直しが行われてきました。かつては16歳未満の子どもにも扶養控除が適用されていたこと、この廃止によって税制優遇から現金給付へと制度が大きく変わるきっかけとなったことを知らない人も多いのではないでしょうか。   本記事では、扶養控除廃止の背景と児童手当の関連性について解説します。

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年少扶養控除とは? 16歳未満への適用が廃止された理由

扶養控除とは、所得税や住民税の計算時に、扶養家族がいる場合に所得から一定額を控除できる制度です。現在は16歳未満の子どもは扶養控除の対象外となっています。
 
以前は、16歳未満の扶養家族に対しても「年少扶養控除」として所得税では38万円、住民税では33万円の控除を受けられ、家計の負担軽減に寄与していました。しかし、2011年分の所得税、2012年度分の住民税から、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外となったのです。
 
これには、2010年の「子ども手当」への制度変更が関係します。旧児童手当は、所得制限があった上で、3歳未満は月額1万円、それ以外の年齢では第1子・第2子には月額5000円が小学校修了まで支給されていました。一方、子ども手当では支給額が一律1万3000円に増額され、さらに所得制限が撤廃された上で支給期間が中学生まで延長されたため、年少扶養控除が廃止される形となったのです。
 
なお、年少扶養控除の廃止により税負担は増えましたが、子ども手当の増額と支給期間の延長により、多くの家庭では手取りが増える結果となっています。
 

年少扶養控除廃止により低所得者のほうが相対的に手当は大きくなった