「でも10分たっても20分たっても女性は家から出てこなくて。変だなと思って、真美と一緒に玄関まで行ってチャイムを鳴らしました。そうしたら、中からでてきたのはおじいちゃんだったんです。あの方のお父さんかなって思ったんですけど、そんな女性は知らない、一人暮らしだって言われて」
◆財布を盗まれた!
2人とも意味が分からず、一旦車に戻ることに。混乱していると、真美さんがあることに気づきます。
「真美が『あれ? 財布がない』って言い出して。2人もカバンを後ろにまとめて置いていたので、私のカバンに間違えて入れたんじゃないかって思って確認したら、私のお財布もなかったんです。2人ともカバンにお財布をいれた記憶があったし、同時になくすなんて滅多にないじゃないですか。あの女性は後ろに乗っていました。それで真美と顔を見合わせて『やられたね』って」
なんと助けた女性に財布を盗まれていたそうです。
似たような話で、ヒッチハイカーを乗せたら窃盗・強盗に遭ったという例は世界中でよくあるらしいですが…“雪の中を歩く女性”を助けたくなるのは人情ですよね。
◆財布に数千円しか入れてなくてよかった
「ホテル代もスキー場のお金も先に払っていたので、二人ともお財布には、昼食と飲み物が買えるくらいの数千円しかいれていなかったのが不幸中の幸いですね。スキー場で落とすといけないからって思っていたんですけど、まさかこんなところで役立つとは…。
それよりも、住んでいる方には申し訳ないですが、なんかそこは街灯もほとんどなくて、本当に不気味だったんです。知らない場所だし余計に怖くて。被害届も出そうと一瞬考えたんですが、それよりも早くこの場から立ち去りたかったんです」
なんで財布を盗ったんだという気持ちより、なんでこんな怖い思いをさせたんだという気持ちのほうが大きかったと、少し興奮気味に語ってくれた美穂さん。その後二人は急いでホテルに向かったそうです。