これら、イレギュラーにも見える仕事をゆりやんが受ける背景には、一体何があるのか。

「たしかに鳥取県のカニのPRや競輪番組というのは、ゆりやんさんの知名度や注目度を考えると、小さい仕事かもしれません。渡米前ということで、吉本としてもできるだけゆりやんさんの稼働を増やしたいという狙いはあるでしょう。渡米すれば国内の仕事も減ってしまうので、稼げるときに稼がせたい。ゆりやんさんとしても、いわば自分のわがままで渡米するわけだから、吉本に恩返しということで、どんな仕事でも受けていたのでは」(お笑い事務所関係者)

 さまざまなPR案件に駆り出されている形のゆりやんだが、こういった活動が今後につながっていくという見方もある。

「たとえば、一足早くアメリカを拠点に活動している渡辺直美さんは、時々日本に帰ってきて企業系のイベントに登場していますが、ゆりやんさんも直美さんのような活動の方向性を考えているのかもしれない。実際にアメリカでどんな活動ができるのかはまだまだ不透明ですし、少しでも収入を確保しておきたいという思いもあるのでは」(同)

 実際、PR系イベントで渡辺直美やゆりやんは重宝される。その理由を、元広告代理店社員でネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

「共通するのは、芸人で謙虚だということです。キャスティングは売れているかどうかも重要ですが、『性格の良さ』『自我を出しまくらない』『事務所が規制をあまりかけない』といった点も採用ポイントになります。

 一方で、芸人側にも当然思惑があります。在米芸人の先輩といえば野沢直子さんがいますが、野沢さんは『出稼ぎ』と称して、年間数カ月日本に来て着実な仕事をするスタンスを長年続けている。日本で目立った活躍をしているわけではなくとも、“一時帰国”となれば、そのレア度で価値が高まるというわけです」

 実際に、ゆりやんが登場したカニのPRイベントは、多くのネットメディアで取り上げられており、“渡米前最後”という話題性を利用したPRは、それなりに結果を残せたと言える。その点では、ゆりやんはすでにインフルエンサーとしての信頼度を高めており、今後も同様の仕事のオファーが続くであろうことは想像に容易い。