◆大阪大学、院卒の異色すぎる経歴

3人のなかでも異色の経歴の藤かんなさん、実は2024年10月に日刊SPA!でインタビューしていました。

藤さんはなんと大阪大学大学院の理学研究科を卒業後、上場企業で研究職に就きます。ところが、2022年に30歳にしてなぜかセクシー女優デビューし、活動が会社にバレてクビになってしまいました。

退職後、長年習っていたバレエの経験を生かしてバレエ教室の講師になると、またも女優活動がバレて辞めるハメに。それをSNSで投稿し、「セクシー女優が子どもにバレエを教えるなんて」と大炎上した顛末を、日刊SPA!で取材したのでした。そのぶっ飛んだ経歴は、自伝『はだかの白鳥』(2024)で明かされています。

はだかの白鳥
藤かんなさんの自伝『はだかの白鳥』
インタビューで、藤さんはこう語っていました。

「(バレエ講師を)辞めることより、そのとき言われた言葉の端々に悔しさを感じましたね。『なんでセクシー女優なの?』『借金があったの?』みたいなセクシー女優に対する偏ったイメージを、私にも当てはめようとする言葉に腹が立つな、と。

でもそれは仕方がない、とも思うんです。だって、私自身も実際にセクシー女優になるまでは、そちら側の人間だったので」

今回の大河ドラマへの起用も、民放だったらスポンサーの反対でできなかったかもしれません。

◆吉原を描くことの難しさ

藤さんは1月8日のnoteで、裸遺体シーンに対する賛否の声を列挙しています(批判も挙げているのは立派)。

「こんな映像を子供も観る時間に放送しないでほしい」「裸である必要はない」といった批判と、一方で「吉原を描く上での制作側の覚悟を感じる」「インティマシーコーディネーターがクレジットされていたので、安心して観ていた」などの高評価があったようです。

撮影現場
吉高寧々のXより現場のオフショット。映らなかったけど「お顔はこんな感じでした」
ただ、遺体シーンに限らずドラマでの吉原の描き方に対して、ネットやメディアでは高評価のほうが多かったように思います。江戸文化の粋である華やかさと、性産業で搾取される悲惨さ、の両方をちゃんと押さえていたからでしょう。