▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
生活費を半分にして生活できるのか?
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編、二人以上の世帯)2023年(令和5年)」によると、65歳以上の方がいる世帯(世帯主が65歳以上、無職世帯)の1ヶ月間の支出(消費支出)は、平均で25万2928円です。この金額を単純に年単位に換算すると、1年間の支出は303万5136円となります。
夫婦2人分の年金収入が年間300万円の場合、年間支出が303万円であれば、支出が収入を上回ることになります。この場合、家計としては貯蓄を取り崩しながら生活していくことになります。
ただ、本記事のタイトルのように「生活費を半分にして生活できるのか?」と聞かれた場合、筆者としては「難しいと思います」とお答えするしかありません。例えば、「年間300万円で生活ができますか?」と聞かれたら、「できます」と答えられます。しかし、「年間600万円の支出を300万円にできますか?」と聞かれたら、「難しいと思います」としかいえないのです。
支出を半分にできるかどうかは支出の内容にもよりますが、一般に、生活水準を著しく下げることは難しいと考えられます。支出を抑えられたとしても、7割から8割程度(年間支出が600万円であれば、420~480万円程度)と考えるのが妥当ではないかと思われます。