先日近所に「ドラッグストア」ができたのですが、売り場の半分以上が「食料品コーナー」です。お得な商品も多くて嬉しいのですが、なぜ「薬局」の食料品は安いのでしょうか?
繁華街や駅の周辺などを歩くと頻繁に目にするドラッグストアですが、近年では薬だけでなく食料品を扱う店舗も増えてきました。ドラッグストアの食料品はスーパーよりお得なケースもあるため、食料品を買うためにドラッグストアを訪れるという方もいるのではないでしょうか。   従来は医薬品の販売が中心だったドラッグストアですが、近年は食料品が売り場の大半を占めるような店舗も珍しくありません。ドラッグストアはなぜ食料品の販売に注力するのでしょうか。本記事では、ドラッグストアが食料品に注力する背景や、食料品がお得な理由を解説します。

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ドラッグストアの国内店舗数は「約1万9000店舗」で市場規模も拡大

経済産業省の「商業動態統計」によると、2023年小売業販売動向において、ドラッグストアの店舗数は全国約1万9000店舗で、前年比3.3パーセントの増加となっています。
 
2014年と2023年のデータを比較すると店舗数は約46パーセント、販売額は約69パーセント増加しており、ここ10年間でドラッグストアの市場規模は約1.7倍に拡大しています。
 
ドラッグストアの店舗数が右肩上がりに増加している理由としては、消費者の高齢化や健康志向の高まり、節約意識や消費動向の変化、コロナ禍の特需に伴う新規出店の加速、調剤併設型ドラッグストアの増加などが挙げられます。
 

ドラッグストアでは「食料品」の「売上寄与度」が大幅に増加

コロナ禍では衛生用品や日用消耗品の需要が急拡大しましたが、アフターコロナの現在では販売額全体に対する商品別の寄与度は変化しています。同じく経済産業省の「商業動態統計」によると、ドラッグストアの2023年販売額に対する商品別寄与度は、表1のような結果となりました。
 
表1

商品 販売額 前年比
食料品 2兆6871億円 12.3パーセント
家庭用品・日用消耗品・ペット用品 1兆2127億円 7.1パーセント
ビューティーケア(化粧品・小物) 1兆526億円 9.4パーセント
OTC医薬品 9906億円 8.8パーセント
調剤医薬品 7955億円 10.6パーセント
トイレタリー 6593億円 3.3パーセント
ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビー 5215億円 -3.3パーセント
健康食品 2725億円 6.4パーセント
その他 1521億円 -4.3パーセント
合計 8兆3438億円 8.2パーセント