「頭入るの?」と毎回声に出してしまうのですが、もうネコ様に“身幅”という概念はそもそも存在しない気がします。溶けるし、のびるし、変幻自在だし。
隙間から出てくるたびにホコリまみれなので、おのれのズボラっぷりを痛いほど叩きつけられるわけですよ。一昔前(?)のいじわるな姑像のような、窓の枠を指でさっと拭いて、指についたホコリを見つめながら、「掃除もろくにできないのかい」とニヤリと笑う――そんなわかりやすい場面も嫌ですが、ちょっとそんな状況とは違う。
何も言わず、むしろ笑顔でニコニコ。そして、気が付いたらさっき掃除したところを、無言で“掃除のやり直し”をされているような。無言の圧と嫌みのダメージ、結構グサッと心をえぐられます。それならむしろ、ののしってほしい。
◆そして私は“掃除ばばあ”へと化した
もちろんネコはののしってはくれないので、黙って後をくっついていきながら掃除をするわけですよ。「あとでやろう」とほっておくと、静かにくしゃみをしたり、ホコリまみれモップ姿のまま、隙間という隙間を“はしご”するんですもの……。
そして、“単体の動くモップ”だけではなく、お気に入りのねこじゃらし(100円)や、もふもふのしっぽのようなおもちゃもくわえて持ち歩くから、まるでモップがモップ持って掃除しているかのよう。そして、どれもホコリまみれ。ごめんて。
テレビ台の下とか、間とか、フィギュアの台の上とか、細かいところも物を落とさないで移動するから、見事にきれいになってしまう。
「やった、ラッキー」と思いそうになるのをぐっとこらえて、愛猫のためにわたしの部屋着のポケットには、ウェットティッシュと掃除用のリアルなハンド1モップを完備。