65歳の自分にとっては「聖徳太子」がお札の顔だけど、娘に両替を頼んだら「初めて見た!」とのこと。今の若い人には通じない? お札が市場に出回らなくなる仕組みも解説
一定以上の世代では「お札の顔といえば聖徳太子」というイメージを持つ人もいるでしょう。しかし平成以降に生まれた世代にとっては、聖徳太子の紙幣を見たことがない、もしくはまったくなじみがないというケースもあるかもしれません。   1980年代の後半に生まれた筆者も、かつて金融機関で働いていたため、業務上、聖徳太子の紙幣を数回見たことがあるものの、プライベートでは一度も聖徳太子の紙幣を手にしたことがないのです。聖徳太子の紙幣はいつまで発行され、どのようにして市場に出回らなくなっていったのでしょうか。   本記事では聖徳太子の紙幣と、お札が市場でどのように新しいものに移りかわっていくのかについて解説します。

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聖徳太子の肖像画のお札はいつまで発行されていた?

実際に聖徳太子の紙幣を見たことがないという世代でも、かつて聖徳太子の紙幣があったという情報は知っている人が多いでしょう。聖徳太子の紙幣というと「1万円札」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は1万円札以外の紙幣の顔としても聖徳太子の肖像画が採用されていました(図表1 )。
 
図表1

金種 発行開始日 発行停止日
1万円札 1958年12月1日 1986年1月4日
5000円札 1957年10月1日 1986年1月4日
1000円札 1950年1月7日 1965年1月4日
100円札 1946年2月25日 1956年6月5日

日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣をもとに筆者作成
 
図表1より、聖徳太子の紙幣は多くの金種の紙幣で採用されていたことが分かります。そのすべてが昭和期間に発行されたものであり、1986年を最後に聖徳太子の肖像画の紙幣は発行停止となっています。
 

お札はどれくらいで市場に出回らなくなるの?